「夫婦で趣味に散財、お金が残らない」、プロのアドバイスは?
イラストレーション・サンダースタジオ 文・一澤ひらり
夫婦でつい趣味に使ってしまい、お金があまり残りません。
リカさん 56歳/ピラティス講師/既婚(会社員の夫)
■リカさん家計シート
収入の高い世帯で、それなりに貯蓄もある。大幅な節約が必要なところは見受けられないが、趣味・教養・娯楽費は引き締められるし、通信費は半額程度に削減できる余地が。課題は先取り貯金をしていないこと。
夫婦そろって旅行が大好き。コロナ禍以前はヨーロッパによく行っていたというリカさん。
「子どもがいないこともあって、夫は車や釣り、私はおしゃれなお店の食べ歩き。お互い好きなことに出費が多くて。老後の資金を増やしたいですけど、なかなか貯蓄できません」
家計シートに目を通した井戸さんは、
「趣味・教養・娯楽費とお小遣い、雑費、項目は別でもほぼ同じですよね。10万円使っていることになりますが?」
鋭い分析に、雑費は冠婚葬祭の出費で、毎月2万円かかるわけではないことを説明するリカさん。
「つまり8万円が月によって10万円、など変動するということですね。積み立てはされていますか?」(井戸さん)
「ボーナスで支払いをして、ちょっと余った時に貯めるぐらいです。私の収入はそのまま旅行資金にしています」
と答えるリカさんに、
「余った時に貯蓄するというだけでは、お金が増えていくことはないんですよ」
井戸さんから厳しいひと言。
「できれば非課税で少額からの積み立てができる『つみたてNISA』のような形で、あらかじめその分をとっておくというのが一番いいですね」
家計の見直しにボーナスを加味すれば月々3万円は貯蓄に回せるはず、と井戸さん。ただ、生活費で使っている口座とは別にすることが重要だ。
「同じ口座だとつい使ってしまうので、必ず分けてください。今利用している金融機関が『つみたてNISA』を扱っているなら、口座はすぐ作れます。世帯の貯蓄分を夫の名義で3万円、リカさんの収入分はリカさんの名義で2万円というふうに分けると、貯まったら自分のお金として使えます」
次に井戸さんが注目したのは通信費。
「食費を4万円に抑えられているのに、通信費3万円は高めですね。半額ぐらいにできるのでは? 節約ってストレスがかからないというのが絶対条件です。お小遣いを減らすとストレスですが、通信費削減なら大丈夫ですよね。格安スマホを検討するのも手です」
それから、見逃せないのがクレジットカードのポイントだという。
「旅行やショッピングが好きなら、かなり貯まります。ポイントはお金と同じ役割だから有効利用してください」
余ったら貯めるでは増えません。口座を分けて貯蓄分は天引きで。
『クロワッサン』1062号より
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