くらし

画家の牧野伊三夫さんのレシピで作る、トーチパクチーと鶏むね肉の串焼き。

部位も調理法もさまざまなバリエーションがある鶏料理。
牧野伊三夫さんが作り続けているこだわりのレシピをここに紹介。
  • 撮影・青木和義 文・黒澤 彩

切り方次第で、むね肉があっと驚く食感に。

「〝観音開き〟の捌き方(下写真)を知って、むね肉はおいしいと思うようになりました」

筋に沿って包丁を入れ、薄く開いていく。するとパサつきやすいこの部位が、淡白だけれどしっかりした味わいになるのを発見。以来、牧野伊三夫さんはもっぱらむね肉派だ。

砂糖と塩、酒をふりかけて10〜15分置くと、さらにぷりっとした食感になる。オリジナル料理「トーチパクチー」は、さらにそぎ切りした肉をさっと蒸し煮するだけなのに、豆豉の複雑な旨みと香味で高級中華のような味わいがひろがる。もう一品は晩酌のアテにうれしい串焼き。

「毎晩、食卓の脇に七輪を置いて何かしら焼いたり炙ったりしながら酒を飲みます。むね肉の串焼きはシンプルだけどご馳走。レモン、七味、味噌などを並べて、銘々が好きな薬味で食べられるのも楽しいですよね」

もちろん、ガス火でも、グリルで焼いてもいい。いつもの鶏肉が串に刺さっているだけでワクワクするから不思議だ。

[ トーチパクチー ]

【材料(2〜3人分)】
鶏むね肉 2枚(500g)
砂糖・塩 各少々
ねぎ 1/2本(白髪ねぎにする)
パクチー 1束(茎はざく切り、葉はちぎる)
豆豉 小さじ1/2〜1(刻む)
にんにく 1かけ(スライスする)
酒 大さじ2
ごま油 大さじ1
しょうゆ 小さじ2
こしょう 適宜

【作り方】
1.鶏むね肉を観音開きにする。均一な厚さに開いたものを名刺大のサイズにそぎ切りにする。
2.1をバットなどに広げ、砂糖、塩、酒少々(分量外)をふりかけ10〜15分置く。
3.フライパンにごま油を熱し、豆豉、にんにく、酒、しょうゆ、2の鶏肉を入れて落とし蓋をし、中火で3分ほど加熱する。火が通ったら好みでこしょうをふり、器に盛って白髪ねぎとパクチーをのせる。

1.鶏むね肉は、中央の筋に沿って切り込みを入れる。
2.中央の切れ目から包丁を横に入れて開いていく。
3.断ち切ってしまわないように慎重に左右を開く。
4.厚い部分は3枚に開き、全体を均等な厚さにする。

[ 鶏むね肉の串焼き ]

【材料(2〜3人分)】
鶏むね肉 2枚(500g)
シソ 4枚
好みの薬味 適量

【作り方】
1.鶏むね肉を観音開きにする。
2.1枚は一口大のそぎ切りにして串に刺していく。肉の薄い部分から串が抜け出てしまわないように注意。もう1枚は両端を切り落とし、シソをのせて幅が小さい側から巻いていく。巻いたものを1cm幅にカットし、巻き終わりの部分を留めるように串に刺していく。
3.2を網に並べて、両面を色よく焼く。七味、味噌、梅肉など好みの薬味をつけて食べる。

牧野伊三夫

牧野伊三夫 さん (まきの・いさお)

画家

画集のほかに『アトリエ雑記』『画家のむだ歩き』などのエッセイも。北九州市情報誌『雲のうえ』、飛騨産業広報誌『飛騨』編集委員。

『クロワッサン』1052号より

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