上野千鶴子さんが著した『おひとりさまの老後』が出版されたのは今から14年前だ。
シングルでも既婚者でも、統計的に女性は長生きする可能性が高い。つまり、どのような生き方を選んでも老後を「おひとりさま」として生きるなら、どう暮らしていくべきか。
その心構えを軽やかに記した同書は、今も版を重ねている。それだけ、読者にとって、ひとつの道しるべとして読まれているからだろう。
その後も、『おひとりさまの最期』など「おひとりさまシリーズ」は続いているが、最新刊『在宅ひとり死のススメ』では、「慣れ親しんだ自宅で満足な最期を迎える方法」を提示している。
一瞬、ドキリとするタイトルだが、そこはクールでユーモアたっぷりの上野節をさく裂させつつ、老後の不安が少なからず払拭される内容で、現在72歳の上野さん自身も実践しているノウハウももりだくさん。
そこで、今や高齢者の仲間入りをした(!)現在の上野さんが、楽しく安心して暮らす自宅を訪ね、上野流暮らしのダウンサイジングについて、じっくりと話を聞いた。