森に溶け込む木の家具と持ちのいい道具類。メイクアップアーティスト・早坂香須子さんの新しい住まい。
撮影・加藤新作 文・中嶋茉莉花
森に溶け込む木の家具と持ちのいい道具類。
北アルプスのふもとに位置する長野県大町市。早坂香須子さんが、この地で暮らし始めたのは今夏だ。
「とある湖畔に暮らす知人を訪ねた際、立山連峰を見上げる雄大な景色と、森の豊かさに魅せられてしまいました。土地を探し、ご縁のあった3000坪の森を間伐することから住まいづくりをはじめ、家にもこの森の間伐材を使用しています。森に包まれる暮らしの中で選んだのは、素材の由来がわかるもの、作り手が見えるもの、家に使われている材と同じ素材のものなど。テーブルやキャットツリーは大きいものですが、床と同じナラ材なので圧迫感がありません。必要なときにメンテナンスをお願いできて、末長く付き合えるということも、大きなポイントでした」
ラシャトンのキャットツリーハウス
アートのように美しく、猫の探求心も刺激する構造。
「上ったり下りたり、顔を出したり隠れたり。国産のナラ材製で、猫たちはほんとうの木に登るように、自然に走り寄ってきて、思いのままに寛いでいます。石川県の宮大工さんが作った組み木の愛らしい三角屋根と、美しい木目が、木の家になじみます」。屋根の形状違いで3タイプ揃う。
カッテの猫トイレ
円形台を気に入って、猫たちのベッドに。
「洗面所に扉付きの猫トイレ用スペースがあり、はじめはそこに置く予定でした。ところが、出入りがしやすく、円形で体も沿わせやすいからか、開封直後、猫たちが中で居心地よさそうに眠りだしてしまって。すっかりベッドになりました」。セラミック塗装がされたアルミ製で傷もつきにくい。脚は真鍮。
ウッドユウライクカンパニーのチェア
無垢のオーク材を職人が継いで作る椅子。
「ダイニングテーブルと合わせて選んだチェアは、“MOCHI”の名のとおり、丸くぽってりとした見た目が愛らしくてお気に入り。合板ではなく、削り出した木の組み合わせで背もたれや脚のカーブを実現しているそうなんです。そんな物語にすっかり魅了されてしまいました」。オーク製。
ローゼンダール社のソーラーランプ
静謐な暮らしをそっと灯す、ポータブルデザイン。
「森の中の暮らしは夜になると真っ暗になります。その暗さも楽しみたくて建築照明を最低限に絞ったので、ランタンのように使えるこのランプが便利。日中蓄電しておき、夕方になるとスイッチオン。間接照明にしたり、手に提げて部屋を移動したりしています」。
*紹介した商品はすべて私物です。
『クロワッサン』1131号より
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