くらし

“もの”を減らすことより笑顔を増やす、「実家の片づけ」実践レポート。

ものを捨てるのではなく、“その人が暮らしやすいように整える”が信条の片づけヘルパー・永井美穂さん。
親の“思いを”を大切にした片づけ術をレクチャーしてもらいました。
  • 撮影・滝川一真 文・天田 泉 イラスト・松元まり子

コミュニケーションを しっかりとれば、けんかせずに 片づけもはかどる。

「実家の片づけは、親が住み慣れた家に少しでも長く、健康・安全に暮らせるようにすることが目的です」と永井美穂さん。

ところがそう願って片づけをはじめると、親子げんかが起こることも少なくありません。

「子どもは“片づけ”=“きれい”を目指しますが、親のほうは“きれい”を望んでいない場合も多い。いきなり子どもにものを捨てられたり、『こんなのゴミでしょ!』と言われたりしたら、親もカチンときてけんかになります」

最初に大切なのはしっかりコミュニケーションをとること。

「まず、親が何を大切にしているのかを知りましょう。ものにまつわる思い出や思いを子どもに聞いてもらえたら、親もうれしい。すると、ものへの執着もなくなって手放せるのです」

今回、永井さんが片づけをレクチャーするのは、一軒家に夫と暮らす80代のTさんと近所に住む娘さん親子。リビングルームの本棚を片づけることになりました。

埼玉県で夫とふたり暮らしのTさんと近所に住む長女。永井さんに手伝ってもらいながら、まずはリビングルームの本棚を整理することに。

「リビングが片づいたら、コーラスのお友だちを呼んでおしゃべりしたい」とTさん。いずれは、現在2階にある寝室を移す計画もある。

実家の片づけがはかどる3つのコツ

(1)『いる? いらない? 』ではなく、『どこで使うの?』と聞いてみる。

親世代はものの処分が苦手。どこで使うのか具体的にイメージできるように聞くことで、手元に残したいものを決めやすくなる。

(2)ほかの家族のものを交えて、気分転換。

ものの取捨を判断するのは集中力を要し、意外と疲れるもの。亡き家族のものや子どものものを交えて気分転換しながら行うとよい。

(3)『これ、ちょうだい』と言って、もらう。

ものをもらって管理者になれば、「いる」「いらない」を自分で決められる。親も子に「ほしい」と言われると悪い気はしないもの。

(片づけるところ)Before “もの”が混在した本棚を使い勝手よく整える。

(A)本棚を占めている子どもたちのものを処分

(B)家族写真を見やすく飾る

(C)棚の上のものをなくす

(D)贈りものの置物は気に入ったものだけを厳選

(E)横向きになった書類を分類して取り出しやすく

(F)場所を取る古い百科事典は処分

日常使いのものやもう使わないもの、飾るものなどが雑多に詰め込まれた本棚。Tさんの最大の悩みは、夫の介護関係の書類や医療関係の領収書、郵便物などの紙類がすぐにたまって分類もままならず、見つけにくいこと。

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