くらし

有限な時間をうまく使いこなす、「SAMURAI」マネージャー佐藤悦子さんの8つの行動理念。

時間をうまく使えている人は段取り上手。習慣づけることで、仕事や家事の効率も上がるポイントを、実践者の例から探る。
  • 撮影・MEGUMI 文・板倉みきこ

1.忙しいと言わない、思わない、思わせない。

「忙しいと口にするたびに、漢字の成り立ちどおり、心を亡くしている気がします。自分で言わない、思わないようにするだけでなく、人にも思わせないよう注意しています。もし周囲に忙しいと思わせてしまったら、私の言動が『心ここにあらず』だったということです。『忙しそう』と言われた時は、自分を省みるようにしています」

2.リフレッシュのパターンをたくさん用意する。

「心の余裕を維持するには、気分転換が不可欠です。
時間があるなら旅行が一番ですが、短時間でできるリフレッシュ法もいくつか用意しておきます。
お気に入りのコーヒーを飲む、スマホゲームに興じる、頭のマッサージをする、などが仕事中の気軽な気分転換法。そのことだけに没頭すれば、瞬間で頭がリセットできます」

3.できることは事前に段取る。

「自分をケアする時間も心の安寧には必須だと思っています。そこで、美容院、ネイルサロン、ジムの予約など、自分で管理できる予定は前もってスケジュールを押さえてしまいます。また、1週間の洋服のコーディネートを想定するのも大切な段取り。細かいことほど前もって考えておくと、時間的にも気持ち的にも余裕が持てます」

4.いつも心に留めておく人生訓をもっている。

「手帳に挟み、折に触れて読み返しているのが極真空手の道場訓です。息子が習い始めたのがきっかけでその内容に触れたのですが、日常に活かせる教えが詰まっていると共感しました。“機に発し感に敏なること”“ことに臨んで過たざること”など、読み返すたびに、自分の言動はどうだったかと、思い返す機会を与えてくれます」

5.オン、オフの切り替えを考えない。

「仕事にプライベートを持ち込まないよう気をつけていますが、それ以外で公私を分ける努力はしていません。オンとオフを切り替えなければ、と考えるほうがストレスだと思いますし、仕事も家庭も全て私の時間の中にあるからです。自分を追い込み過ぎず、今日できなければ明日やればいい、とゆるく捉えるのも大切かもしれません」

6.すぐできることを片づけ、ストレスを減らす。

「毎日、その日にやるべきことをA4の裏紙に“電話”“スケジュール”などとカテゴリーに分けて箇条書きにします。やるべきことを忘れないので便利ですし、終わったものは赤線で消していくので、見た目にも一種の達成感と爽快感が得られます。一日の終わりはそのメモを破り捨て、やり残したものは翌日用の紙に書き写します」

7.時間管理はデジタルとアナログを使い分け。

「スケジュール管理にデジタルもアナログも一長一短があるので、併用しています。変更が多いアポイントなどの管理は、スペースが無限のデジタル向きです。一方、手帳は私の備忘録。手土産やレストランの情報、心に残ったこと、体重の変遷まで様々な記録を書き込みます」。写真は、ここ数年備忘録に愛用している「ほぼ日手帳」。

8.優先順位は明確にしておく。

「仕事のデスクにはその時に必要な書類のみを出すようにして、優先順位を明確にしておきます。目の前のことに集中するためには、常に優先順位を考えて行動するのが大切。たとえば息子の重要な時期には、工夫して時間を作ってそちらに注力し、仕事に戻ったら全力で巻き返すなど、どちらも中途半端にならないよう心がけています」

佐藤悦子

佐藤悦子 さん (さとう・えつこ)

クリエイティブスタジオ「SAMURAI」マネージャー

日本を代表するクリエイティブディレクター、アートディレクターで、夫でもある佐藤可士和さんや、手掛けるプロジェクトのマネージメントを担当。

『クロワッサン』1043号より

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