くらし

【和田裕美のお悩み相談】両親の防犯意識の低さが心配です。

外資系教育会社でのフルコミッション営業で世界142カ国中第2位の成績を収めたキャリアを持つ和田裕美さんが読者の悩みに答える連載。今回は地方で暮らす両親の防犯意識の低さに頭を悩ませる女性からの相談です。

<お悩み>

地方で暮らす両親の防犯意識の低さが心配です。なりすまし詐欺やあおり運転などいつ被害に遭うか分かりませんが、両親は「地元に悪い人はいない」「うちは娘しかいないから詐欺なんかない」と言ってドラレコはもちろんのこと固定電話に留守電もナンバーディスプレイもつけません。勧誘電話を取ると母は話を最後まで聴いて謝り続けて断ります。相手が電話できるのは住所を知っているからであり粗末な対応は絶対できないと言います。長女の私は人より何もかも劣っているとみなしていて必要以上に干渉をした反発なのか、自分たちは被害に遭わないという言い分に複雑です。

(まゆ/女性/都内に暮らす30代の主婦です。30代会社員の夫と5歳の子どもがいます。)

和田裕美さんの回答

まゆさん、こんにちは。
「自分だけはだいじょうぶ」と言う
年配の方多いんですよね。
そう、人って自分の自覚なしに齢を重ねていくのです。 

わたしもこの間、
急にブリッジをしてみたら
(よつんばい反対の形のやつです)  
寝た状態からという安易な方法で
身体を反らせてみようとしただけなのに
手で身体が持ち上がらない。
ぜんぜんあがらない。
痛い、痛い、痛い。
ええ〜〜?若い時は直立した状態からできたのに……。

まあ、私の話は置いといて……。

とにかく気がついたら
「あ、年取っている」となるのが「老化」です。
まゆさんが思うほど
ご両親に自覚はありません。
そして、もしかしたらご両親、
頭の良い方とか
ややプライドもある方でしょうか?
その場合、自分の娘に
じじばば扱いされるのも
ちょっと悔しいという感情があるかも。

とくに文面に
「長女の私は人より何もかも
 劣っているとみなし……」と
あるくらいですから心理としては
「自分よりも下の人にアドバイス受けると
 素直になれない」という
感情もあって
さらに頑固になっている可能性も
ありますよね。

そうなると、受け入れることはもう本当に難しい。
こういう人は周囲が何を言っても
言うことを聞かないので基本的には
大きなミスをしたり痛い思い
(ブリッジのように……)をしないと
わかってくれないのです。
だって未然に防いだら
「ほら、だいじょうぶじゃない」となって
結果的に自覚は生まれない……。

だからここは
「わかってもらう」ことに期待してはいけません。
まずこちらでできることをする。
そして気持ちよく受け入れてもらう。

調べたらいろんな電話機がありますね。
画面表示が大きくて
登録されてない電話だと
「迷惑電話にご注意ください」と言ってくれて
相手には
「この電話は迷惑電話防止のため
 録音されます」と
伝えてくれるようです。
少しでも抑止力はあるかと思います。
それをプレゼントするのです。

そのときに
「お父さんもお母さんも
 しっかりしているし
 まったく心配してないけど
 変な人が出てきたときの
 証拠にもなるし、
 心配性の私のためだと思って
 これつけてね」と言います。

間違っても
「もう歳なんだから、
 大きなディスプレイじゃないと
 見えないでしょ」とは
言わないでください。(笑)

また
「被害に遭うのは、
 頭の良い人や心の優しい人なの。
 お父さんもお母さんも
 『いい人』だから心配なの」
と言うこと。

「ジジババだから騙されるんだよ」
と言ったらアウトです。

とにかく相手の自尊心を傷つけず、
逆に褒めながら伝えてみてください。

和田裕美

和田裕美 (わだひろみ)

作家・営業コンサルタント

京都生まれ。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。書籍だけでなくラジオやNHK Eテレ番組にレギュラー出演など多岐に渡り活動中。代表作に、『成約率98%の秘訣』『人生を好転させる「新・陽転思考」』等。新刊に『人の心を動かす話し方』(廣済堂出版)、『いざという時に結果を出せる本番力』(ポプラ社)など。学校などで陽転思考の体験授業も実施。公式サイト

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間