【山田ルイ53世のお悩み相談】夫からのプレゼントが他人に渡す予定のものでした。
撮影・中島慶子
<お悩み>
はじめまして。
先日私の誕生日だったのですが、夫が、趣味で追いかけている女性芸能人にイベントで渡す予定だった物を、私への誕生日プレゼントだと言って渡してきました。
文章が長くなるので省きますが、私はそれが自分宛のものではない事を知っていたのでとてもショックでした。
初めは知らぬふりで受け取っておこうかと思いありがとうと伝えたのですが、やはり我慢できずに夫に話しました。
趣味の範疇と言えど、他の女性を思って購入した商品を私へのプレゼントだと嘘をつき渡された事が悲しかった等気持ちを伝えましたが、バレているのになお、なんとか誤魔化そうと言い訳の言葉を並べて反論する夫。
何かが一気に崩れてしまった気がします。
もしかしたら私の心が狭いだけなのかもしれません。
でも自分の自尊心が傷つき、ずっと気持ちが落ち込んだままでいます。(元々自己肯定感が低いタイプです)
夫は、家事育児に協力的でちょっと気遣いにかけるけれどもとても優しい人なので私も尊敬していましたが、今回の、あまりに配慮のないかつ人を馬鹿にしたような行動が許せないでいます。
なんとか立ち直りたいのですが、よい方法などありましたらアドバイスをいただけると嬉しいです。
(きょむ/女性/間もなく仕事復帰を控えた30代の主婦です。40歳夫、0歳息子との3人暮らしです。)
山田ルイ53世さんの回答
「悪気はなかったのでは?」、「女性芸能人に対する気持ちと、奥様へのそれは別物でしょう!」と色々擁護したところで、きょむさんの荒ぶる心が鎮まることは無いでしょう。
おそらく、旦那さんが並べ立てた言い訳の数々、そのラインナップにも上記の台詞は入っていたと思うからです。
いや、確かにデリカシーに欠けていますし、他の女性を想って買った品を相談者へのプレゼント、しかもあろうことか、誕生日プレゼントに転用するとは全く“ふてー野郎”……率直に気分が悪かったと思います。
とは言え、
「何かが一気に崩れ去った」
とまで仰るのはどうでしょう。
傍目には少々大袈裟(申し訳ない)に映るかもしれません。
明らかにバレているのに、「何とか誤魔化そう」と必死な旦那さん。
所詮、他人事の筆者は、笑ってしまいましたが、勿論、相談者のお怒りも十分理解出来ます。
ただその一方で、
「ごめん……これは○○(女性芸能人)へのプレゼントで、君のじゃない」
などと素直に相手が認めてしまった場合、相談者はどうされるおつもりだったのかも気になる。
この件を機に、結婚生活をご破算に……するおつもりなどないと思うからです。
「言い訳するのは、それだけあなたが大事ってことだよ!?」
などと言うつもりは毛頭ありませんし、気持ちをぶつけること自体は悪いことではないと思いますが、一応“落としどころ”、ゴールを設定しておくことも肝要だというのが、筆者の持論。
でなければ、夫婦喧嘩など、只の泥沼……誰も得をしません。
「家事・育児に協力的で、“ちょっと気遣いに欠けるけれども”とても優しい」旦那さんを尊敬していたとのこと。
“ちょっと気遣いに欠ける”という旦那さんの特性は既にご存知だったのではないでしょうか。
「今回は“ちょっと”じゃない!」
と言われればそこまでですが、もしかすると、件の女性芸能人に渡そうと思っていたけど、
(やはりこんなに良いモノは妻に……)
と考え直したのかもしれない。
まあ、恐らくこのコロナ禍で予定されていたファンイベントの類が中止されたので、それなら妻に……といったところでしょうが。
どうでしょう、ここは1つ、「一度仏壇にお供えした饅頭を、勿体ないから食べた」みたいな話だと思ってみませんか。
お幸せに。
山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人
公式ブログ