防災グッズで見落とされがちなのは女性に欠かせないもの。東日本大震災を仙台の職場で被災した資生堂ジャパンの松田佳重子さんはこう話す。
「激震でオフィスはモノが散乱して歩くのも危険なのに、女性社員はスカートとパンプス、ストッキング。あとで調達した靴下がどれだけありがたかったことか。しかも会社に泊まることになり、3日間コンタクトレンズはつけっぱなし。備えることは自分の命を守ることだと痛感しました」
同じく仙台で被災した整理収納アドバイザーの澁川真希さんは、自宅で避難生活を送った。
「水道の復旧に1週間かかり、水を使わずにいかに快適に過ごせるかが課題になりました。ドライシャンプーを使ったり、アロマオイルを数滴垂らした水で体を拭いたりしていました。清涼感のあるものに助けられましたね」
国際災害レスキューナースとして被災地での経験豊富な辻直美さんは言う。
「避難所では見ず知らずの人たちと限られた空間で過ごすことになり、男性主導で避難所運営が行われることが多く、女性のデリケートな問題をフォローできないのが実情です。生理用品などの用意は自分で心がけるしかありません。災害がいつ起きるかはわからないので、普段から必要最低限のものは持ち歩くようにしたいですね。それだけでも防災意識は高まります」
被災したら生き延びることが先決。しかし女性としてつらい思いをしないで被災生活を送れるよう、事前に準備はしておきたい。3人にとっておきのお役立ちアイテムを教えてもらった。