昼の部のトリの落語が終わったあとの大喜利として披露される住吉踊り(ちなみに“大喜利”とは座布団の増減を競う意味ではなく、トリの一席のあとの“おまけ”の芸を指す言葉です)。「伊勢音頭」という出演者全員の総踊りで幕を開け、「深川」「奴さん」「かっぽれ」などお馴染みの踊りからふだんはあまり披露されない踊りまでを、笑いもふんだんに折り込んで披露されます。
志ん朝師匠亡きあとも、現在は古今亭志ん彌師匠を座長としてベテランから若手が、所属する団体や芸種の垣根を越えて継承しています。
私は前座時代、毎年楽屋のお手伝いをおおせつかり、志ん朝師匠から「住吉の太鼓はお前に任せると安心だよ」とお言葉をいただいたのが、噺家生活のなかで数少ない誇りとなっています。
住吉踊りを楽しんでいただくと、落語日和にいっそう彩りが加わりますよ。