くらし

小まめに怒りをデトックスし、心を整える習慣をつける。

多くのストレスをもたらす原因が、実は人間関係。心穏やかに人付き合いができる秘訣を、精神科医の名越康文さんがわかりやすくレクチャーします。
  • 文・板倉みきこ

小まめに怒りをデトックスし、心を整える習慣をつける。

Photo by Clyde RS on Unsplash

私たちは、誰もが日々相当数の怒りを発していて、無意識下では一日何十回も怒っている人すらいる。

「怒りに気づき、減らしていける数は、一日2、3個かもしれません。でも、たったそれだけでも心の淀みは少しずつ消え、スッキリした明るさを取り戻せます。自分の怒りに日々気づくだけで、人間は変わっていけるのです」

以下の10項目のうち前半の3つは、怒りのデトックス法。怒りを感じた瞬間にやれる、手軽な方法ばかりだ。

「心が軽くて穏やかな、本来あるべき自分に戻るには瞑想や呼吸法が一番ですが、『それはハードルが高い』という人も多いんです。また、怒りが湧いた瞬間に思いつけるか、実践できる方法かどうかも大事。一つでもいいので、これは自分の生活に取り入れやすそう、と思うことを毎日実践してください」

残り7つは、日常心がければ、自分の感情の揺れを感じやすくなる方法だ。

「集中していない状態は心を疲弊させるので、区切りをつけて切り替えることが大事です。また、目覚めた直後の半覚醒時は、暗い考えが自動的に渦巻きやすいので、早めに寝床から出てしまうこと。ルーティンワークを丁寧に行っていると、心が不安定な時と安定している時の違いがわかります。また、五感を活かしたり没入できる趣味を持つと、脳が活性化されますよ」

4秒吸って、4秒止め、8秒かけて吐く鼻呼吸をゆっくり5回繰り返す。

「私は今怒っています」とゆっくり声に出して5回唱える。

普段より3倍ほどゆっくり時間をかけて何かの動作をする。

公園のベンチなど、自分の心の浄化場所を見つけ、毎日通う。

気持ちが暗い状態が続く時、毎朝鏡の前で口角を上げて笑顔を作り、見つめてみる。

集中していないと感じたら、その場で一旦区切る。

目覚めたら、10分以内に寝床から出る。

玄関を掃く、メガネを拭く、コンロ周りを磨くなど、毎日できるルーティンワークをする。

日常を忘れ、没入できる趣味を持つ。

お茶やガーデニングなど、五感をフルに使うことをする。

名越康文(さなこし・やすふみ)さん
精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。テレビのコメンテーターや、映画評論、漫画分析など多方面で活躍。自ら作詞作曲を担当するオリジナルバンドを結成し、活動中。

『クロワッサン』1026号より

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