からだ

スマホ依存、人間関係、心のクセ…医師が教える原因ごとのストレス対策。

それが原因だったとは、と気付かないうちに積もる日々のストレス。社会の変化で増える現代ならではのストレスをはじめ、上手な付き合い方を心療内科医の海原純子さんに聞きました。
  • 撮影・青木和義 イラストレーション・網中いづる 文・知井恵理

[ストレスの元1]

■ スマホ
■ SNS
■ 情報過多

[対応策1] 「つらい」「やめられない」と 感じたら思い切ってオフに。

コロナ禍で利用者が増えたオンラインやSNSによるやり取り。見ないと気が済まない、返信がないと不安、などの悩みが増えた。

「SNSが気になりすぎる人は、心の空白を埋めようとして依存していることが多いようです。憂鬱や疲れを感じたらしばらくオフにしましょう。必要なときに利用し、他人の発信を気にしない。友だちをむやみに広げないなども、依存やストレスを防ぐコツです」

上手に使えば、できることが広がり、生活が豊かに広がる。

「私が開催したトーク&ジャズのオンラインイベントの参加者の最高年齢は81歳でした。SNSはやりたいことと繋がれる道具のひとつ、上手に利用しましょう」

[ストレスの元2]

■ 人間関係
■ 家族
■ 役割依存

[対応策2]  「いい人」でいることをやめて、本音で話す。

人間関係の悩みのなかで、本音が言えない、家族との信頼関係の維持に疲れてしまうという声は多い。

「相手をがっかりさせたくない、良き妻・母・娘でありたいと役割を背負いすぎているのでは? 人に認められる肩書を失くすのが不安なら、役割依存といえます」

そんななか、気が乗らない誘いにNOを言える女性も増えている。

「コロナ禍を理由に、無理なく断れるようになったみたいです。いい傾向ですね。人をないがしろにせずに自分らしく生きていれば、どんな生き方でもいいんです。素敵な役割がなくても、これが自分だと言える生き方ができたら、いい人と思われなくても何の影響もないことに気づきますよ(笑)」

[ストレスの元3]

■ コロナによる変化と対応

[対応策3] 信頼できる情報を共有して、 衝突やすれ違いを減らす。

コロナ禍で生まれた問題のひとつが、家族や友人との意見の衝突。

「原因は2つ。ひとつは先の見えない状況のなかでの不安やイライラによるもの。〈ストレスと上手に付き合うためにできること〉を実践して、心を落ち着けてから話すことをおすすめします」

もうひとつの原因は、目にしている情報の質の格差にあるそう。

「査読付き論文などの信頼できる情報を探して、コロナへの取るべき対策や行動について話し合いを」

査読とは、学術誌へ掲載するに値する内容かを同じ分野の専門家が判断すること。通過すれば論文の質が保証される。

「査読付き論文を掲載している医師や専門家の意見なら、間違いありません」

[ストレスの元4]

■ 心のクセ
■ 理由なきもやもや

[対応策4] 心の弱さや満足できない 原因を探り、自己肯定を。

自分の弱さや繊細さに悩む人は多い。

「まず、弱い=感じやすかったり敏感だったりすること、は悪いことではないのが大前提で、その上でなぜ弱いと感じるのか点検してください。たいていは過去の失敗や誰かの感情的な一言がきっかけ。自分は弱いから何をしても人に迷惑をかけてしまう、結果的にまた深く悩んでしまう、と思い込んでいるケースがほとんど。適切な対策をするとそのレッテルは外せます」

自分には何かが足りない、だからダメだと思う心のクセを、手放したい。

「できることや持っているもの、自分の長所にちゃんと目を向けて認めると、これでいいんだという感覚が徐々に生まれます。自分に満足することを知って、幸せを感じてみてください」

海原純子

海原純子 さん (うみはら・じゅんこ)

医学博士、心療内科医、産業医

日本医科大学特任教授、昭和女子大学特命教授。歌手としても活躍。近著に『「繊細すぎる人」のための心の相談箱』(PHP研究所)。

『クロワッサン』1066号より

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