くらし

スパイスの選び方と使い方を専門店で学ぶ。

料理家・松見早枝子さんがビギナーに向けて指南(レクチャー)するスパイスの選び方、使い方。まずはお気に入りの専門店へ!
  • 撮影・徳永 彩(KiKi inc.) 料理、スタイリング・松見早枝子 文・黒澤 彩
(左)松見早枝子さん 粮理家、ウェルネスフードスタイリスト(右)鈴木 裕さん エヌ・ハーベスト代表

松見早枝子さん(以下、松見) いつも家で使っているスパイスは、ほとんどエヌ・ハーベストのものなんです。

鈴木裕さん(以下、鈴木) ありがとうございます。どのスパイスも、私がインド、パキスタン、トルコ、スリランカなどの産地に出向いて買い付けています。特にインドとパキスタンの食に魅せられて以来、本物のスパイスを日本に伝えたいという思いがあって、この店をオープンしました。

「気になるものがあれば、簡単な使い方をお教えします」と鈴木さん。

ひとさじで驚くほど変わる。スパイスはまるで魔法。

松見 スパイスのように海外から輸入されている食品ほど、品質が気になります。こちらのものは全部オーガニックなので安心。私自身はスパイスが大好きで日常の料理にもよく使うのですが、あまり慣れていない人からは、何を買って、どう使えばいいのかわからないという声を聞きます。

鈴木 ああ、なるほど。初めてお店に来られた人には、カレー用のミックススパイスからおすすめしています。

松見 料理教室でもスパイスカレーは人気メニューですよ。余ったスパイスを使い切れないという生徒さんには、「カレー以外にも卵料理やスープにひと味足りないときに加えてみて」とアドバイスしています。

鈴木 たしかに、少し加えるだけで魔法のように味わいががらっと変わりますからね。唐辛子ひとつとっても辛いだけじゃなく、甘みも旨みもあるので意外と使いやすい。日本はまだスパイス後進国。もっと気軽に楽しんでもらえるようになるといいですよね。

頭が重く感じるときには、スパイス料理で調子を整えるという松見さん。

まずは単品使い、または 2種類を組み合わせて。

松見 私は和食にもよくスパイスを合わせます。肉じゃが、きんぴらなど、ごく普通の料理にちょっとアクセントをつけたいときに香りが加わると、塩分控えめでも満足感が出るんです。

鈴木 和食に使うのはいいですね。カレーやエスニック料理専用と思わずに、いつもの料理に実験的に使ってみると、それぞれのスパイスの持ち味がわかってくるんじゃないでしょうか。

松見 今回は、初心者向けの2大スパイスとしてブラックペッパー(黒こしょう)とクミンを使ったレシピを紹介するんです。ブラックペッパーは「塩こしょう」としてだけじゃなくて、たっぷり味わってほしいと思って。

鈴木 いいですね。ブラックペッパーやクミンのような基本のスパイスは、はっきり言って何にでも合います!

松見 たとえば、生姜とレモン汁、塩とスパイスで生野菜をマリネした「カチュンバル」は、インド料理ですけど、鶏ささみや豚しゃぶと和えると和風の一品にもなる。シンプルだけど大好きなスパイス料理です。

鈴木 スパイスは、ホールとパウダーの使い分けもポイントだと思います。ホールの場合は乾煎りしたり炒めたりすることで香りが立ちますが、頻繁に使うなら手間のかからないパウダーを常備しておくといいかもしれません。

松見 例えばクミンはホールを使う人が多いですけど、私はパウダーのほうが使いやすい気がします。ホールの場合は、炒めると断然おいしいですね。

鈴木 そうですね。油そのものを香らせるというイメージです。インドではスパイスを揚げているのかな?というくらい油をたくさん使いますよ。

松見 使い方のコツはほかにも?

鈴木 ちょっと上級者向けになるかもしれませんが、慣れてきたらミックススパイスを買うよりも、単品を混ぜて使うのが醍醐味ですね。

松見 わかります。混ぜることで、すごく風味が豊かになりますね。いきなり何種類も揃えなくても、好みの2種類をミックスするだけで充分。これからはスパイス料理を欲する時季。難しく考えずもっと気軽に、ふだんの家庭料理に取り入れてほしいですね。

大根、紫玉ねぎにスパイスを利かせたサラダ「カチュンバル」は、箸休めにぴったり。消化促進効果もある。

エヌ・ハーベスト

エヌ・ハーベスト

生産者から直接買い付けるフェアトレード、オーガニックのスパイスが揃う。単品はもちろん、「魔法のスパイス」と名付けられたミックススパイスも人気。ほかにも紅茶、ドライフルーツ、手仕事の木工品、キリムが並び、異国の市場のような楽しさ。

東京都杉並区松庵3-31-17 畑下ビル 1F TEL.03-5941-3986 営業時間:11時〜19時 月曜休
オンラインショップ http://nharvest.rv.shopserve.jp

『エヌ・ハーベスト』では、色とりどりのスパイスや穀物を手に取って香りを確かめることも可能。何でも聞いてみよう。
使いやすい量が密閉できる遮光袋に入っているので、保存もラク。
チャイやジンジャーエールが作れるスパイスミックスも。

松見早枝子さんのビギナーにおすすめ!

【ブラックペッパー】下味や仕上げにひとふりするだけではもったいない。味付けの主役にしてみると新たな発見が。「できればホールで購入して、ひきたてを使ってほしいですね」(松見さん)
【クミン】「香りだけではなく、旨みを感じるのが特長。野菜、魚、肉と何にでも合う万能スパイスです」。ホールタイプは油で炒める、乾煎りするなど加熱することで香りを立たせる。
【カレーパウダー】カレー以外にも使い勝手のいいミックススパイス。料理の仕上げにぱらりとふっても。「しょうゆとも相性がいいんです。私は隠し味として和食に加えて使っています」
【レッドチリ】辛い料理にかぎらず、香りづけに活躍する。「料理の味が今ひとつ決まらないときなど、チリを少し加えるとピリッと品のいい味に整えてくれます」。肉や魚の臭み消しにも。

松見早枝子(まつみ・さえこ)さん●粮理家、ウェルネスフードスタイリスト。心身の健康によく、環境への負荷が少ない食を提案している。プライベート料理教室Tronc(トロン)主宰。美容への造詣も深く、きれいになれるレシピも発信。

鈴木 裕(すずき・ひろし)さん●エヌ・ハーベスト代表。学生時代に世界中を旅したことがきっかけで、スパイス専門店『エヌ・ハーベスト』を東京・西荻窪にオープン。仏料理のシェフだった経歴を生かした料理講座も。

『クロワッサン』1023号より

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