くらし

ちょっとしたコツでプロの味、サラダの方程式を習得しよう。

お手軽料理の代名詞と思っていたサラダは奥が深かった! 作家と料理家2つの肩書きを持つ樋口直哉さんに差が出るプロの技を教わります。
  • 撮影・柳原久子 スタイリング・高島聖子 文・黒澤 彩
樋口直哉(ひぐち・なおや)さん●作家、料理家。専門はフランス料理。web「note」では日常的なレシピや料理のコツを綴っている。著書に『スープの国のお姫様』『最高のおにぎりの作り方』などがある。

サラダとじっくり向き合ったことはありますか? 野菜を切ってドレッシングをかければ完成でしょ、と、軽く考えていませんか? たかがサラダ、されどサラダだが、その差は……。

野菜の持ち味の生かし方を知るだけで、サラダは格段にグレードアップします、と教えてくれるのは、作家と料理家2つの肩書をもつ樋口直哉さんだ。

「野菜の持ち味を生かすとは、すなわち食感を生かすこと。なので、まずは水分コントロールを考えます。野菜の約95%は水分ですからね。水を含ませてパリパリにするか、逆に抜いて柔らかくするか、野菜によって変わります」

そう、キーワードは“食感”。樋口さんのサラダの方程式では、材料を食感ごとに分類するのが大きなポイントだ。

「材料の食感の組み合わせで、サラダはがぜんおいしくなります(下図参照)。例えば、グリーンサラダもレタス1種類では成立せず、柔らかいベビーリーフ、サラダ菜などを合わせる」

組み合わせは2つが基本で、3つ、4つと重なるほど、サラダは豪華に。特に、ベーコン、チーズといったタンパク質が加わると味に厚みが出る。
「タンパク質を含む食材は旨みが強いので、どう足すか、あるいは足さないかが、サラダの味わいを決めるカギになります。動物性タンパク質にかぎらず、豆腐などでもいいんですよ」

ただし、メインの野菜の素材感を生かしたい場合には、要素は少なめに。今回のレシピも最大で3つの食感の組み合わせになっている。

主役の野菜と同じくらい重要なのはドレッシング。基本は酢1に対し油3の割合で、酢は米酢、ワインビネガーなどを使う。一方の油は、サラダ油、オリーブオイル、ごま油などを使い分ければ、和洋中の風味=サラダの国籍を自在に変えられる。

「野菜が縦軸、タンパク質が横軸だとしたら、それを丸く繋ぐのがドレッシングの役目。このサラダの方程式が頭に入っていれば、いろいろなバリエーションが作れるようになるんです」

樋口さんのサラダの方程式

サラダの材料を5つの食感に分類。このうち2〜3素材+ドレッシングの組み合わせで、おいしいサラダが完成する。食材を買うときには、メインとなる野菜の食感を軸に、異なる食感のものを買い足すイメージで。

『クロワッサン』1021号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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