夫が育てた野菜を妻が料理。料理家の坂井より子さんのくらし【レシピ付き】。
撮影・小林キユウ 文・小沢緑子
家族が喜んでくれることが何よりもうれしいですね。
坂井より子(さかい・よりこ)さん●主婦、料理家。葉山で夫と息子と娘の家族の3世帯9人で暮らす。著書に家庭料理や暮らしの知恵を伝える『暮らしをつむぐ』など。
夫が育てた野菜を、妻が料理や保存食に。
自宅近くの山あいに家庭菜園があり、毎日とれたての野菜で家族のために料理する主婦で料理家の坂井より子さん。
「10年ほど前に夫が畑を借りて、丹精込めていろいろな野菜を育ててくれています。おかげでいつも我が家の食卓はにぎやかに。季節の恵みのありがたさを改めて感じながら料理できるのも楽しいですね」
夫の輝夫さんが栽培する野菜は、春はブロッコリー、玉ねぎ、じゃがいも、夏はトマト、きゅうり、ピーマン、秋は里芋、さつまいも、冬は大根、白菜、春菊など、種類が豊富。一年を通してさまざまな野菜が味わえるよう、作付けの計画を立てているのだという。
「畑仕事は手をかけた分だけ成果が見えてやりがいがあるようです。私はお手伝い係ですが、畑に行くと小さかった芽がぐんぐん成長するのを見るのは気持ちがいいですね」
この日収穫したブロッコリーは坂井家定番のロールキャベツに添えられ、クレソンはごま和えに姿を変えて食卓へ。
「とれたての野菜は甘くそれだけでもおいしいので、なるべく素材の味を活かしたシンプルな料理にしています」
また、野菜は新鮮なうちに簡単な保存食にもしておく。
「根菜やきのこを天日干しにしたり、夏になるとドライトマトも作ります。毎年食べきれないほど取れるきゅうりは、ローリエと粒胡椒や赤唐辛子を加えて酢漬けに。作っておくと家族もたくさん食べてくれますし、ご近所やお友だちにおすそ分けもできるので」
夫が育てた野菜を妻が料理や保存食にし、味わった家族が笑顔になる。それが何よりもうれしいし励みになるともいう。そんな豊かな時間を、野菜を通して坂井家では楽しんでいる。
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