くらし

出会いたいのは、ものづくりの心。古くて新しい街・松本を訪ねて。

  • 撮影・黒川ひろみ 地図製作・竹中聡司

[歴史とカルチャー]

松本民芸館

「民芸の力強さを感じます」(大橋さん)。収蔵品は約6800点。日本箪笥、漆器、玩具のほか、李朝家具、南米の陶器など多岐にわたる。写真の建物は天保年間の土蔵を移築したもの。アメリカ、イギリス、日本のアンティークチェアが一堂に。不思議に馴染む美しさ。
松本みすず細工のかご。鉛筆の半分ほどの太さの篠竹を材料とする。軽く丈夫で、かつて生活用品として広く用いられた。
敷地の庭からの色鮮やかなひと枝。
収蔵品の古伊万里のレプリカをおみやげに。豆皿(直径10.7㎝)各680円(税込)。

「美しいものが美しい」。そう唱えた松本出身の蒐集家・丸山太郎。民藝運動の創始者である柳 宗悦に共鳴し、無名の職人が作った日常の道具を私財で収集。人々に民芸の良さを知ってもらいたいと、昭和37年、北アルプスを望むこの地に開館した。大橋さんは「ひとりの審美眼により作られたコレクション。その熱量に圧倒されます」。

●長野県松本市里山辺1313-1 TEL.0263-33-1569 営業時間:9時〜17時(入館は16時30分まで) 月曜休(12月29日〜1月3日休) 観覧料大人310円

栞日(しおりび)

大橋さんも「読んだことのない本や雑誌がたくさんあり、胸が高鳴ります。一日ゆっくり過ごしたい」。
1階のカフェカウンター。スコーンなど軽食も充実。コーヒー500円。
「高橋ラジオ商会」の看板が目印。
近くにある食堂『Alps gohan(アルプスごはん)』の本。

階段を上がると、壁一面の本棚。〈ちいさな声に眼をこらす〉をコンセプトに、独立系出版社や地方の版元など、一般にあまり流通しない本や雑誌を主に扱うブックカフェ。「僕も県外から松本の街が好きになって店を開いた立場。日本各地から、土地の魅力や人の息づかいを伝えようとしている出版物を応援したいのです」とオーナー菊地徹さん。

●長野県松本市深志3-7-8 TEL.0263-50-5967 営業時間:7時〜20時 水曜休(年末年始営業、時間変更あり) 
https://sioribi.jp/

四柱神社(よはしらじんじゃ)

緑ゆたかな境内。町の中心にありお詣りしやすい。
縄手通りの情緒ある街並み。
「若がえりの水」も。
縄手通りのシンボルはカエル。雑貨も多数売られている。フィギュア1,100円(宇宙堂 TEL.0263-35-7148) 
四柱神社のお守り800円(税込)

松本市民の初詣は、「神道(しんとう)さん」と親しまれるここ。名の由来は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、神皇産霊神(かみむすびのかみ)、天照大神(あまてらすおおみかみ)の四柱の神々をお祀りしていることから。すべての願いが叶う「願いごと結びの神」とされている。神社を中心に女鳥羽川(めとばがわ)沿いに東西にのびるのが縄手通り。古い城下の街並みを再現した参道で、そぞろ歩きを楽しみたい。

●長野県松本市大手3-3-20 TEL.0263-32-1936
https://www.go.tvm.ne.jp/~yohasira/

『クロワッサン』1012号より

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