週末に息子が通う保育園のバザーがあった。父母が店員となってリサイクル品を売るイベントで、わたしは呼び込み係。店の外に立ち看板片手に大声を張り上げた。
「いらっしゃいませー! 安いですよ!」
すると、向こうから若い女性が。さらにわたしは必死の形相。
「GUの未使用品もありますよ!」
女性はわたしの前で足を止めた。
「あの……、ラジオでよく聴く声ですけど、もしかして……」
しまった。あまり気づかれたくない場面でのラジオリスナーとの遭遇。税理士事務所の電話受付に続き、2回目。急に声が小さくなる。
「お恥ずかしい……。息子が通ってる保育園のバザーで……」
「シマオさん、最近もラジオよく聴いていますか? 〇〇(番組名)はどう思います?」
なるほど。この女性、ラジオの話がしたいらしい。
「結構好きですよ。最初は慣れなかったけど。でも、報道が減ったのは物足りないですね……」
「わたしもそう思ってます! じゃあ、△△は聴いてますか?」
思わず長々と立ち話。ひとしきり話したところで、女性は
「スッキリしました! 身近にリスナーいなかったので」
と帰ろうとした。わたしは思わず、
「あ! バザー寄ってってください」
と言うと女性はニコリと笑い、とりあえず、といった感じに会場に向かってくれた。
せっかく楽しくラジオ談議したのに最後に商売っ気を出したこと、今になって反省している。