くらし

【和田裕美のお悩み相談】80代の母が終活で面倒な遺言を残そうとしています。

外資系教育会社でのフルコミッション営業で世界142カ国中第2位の成績を収めたキャリアを持つ和田裕美さんが読者の悩みに答える連載。今回は親の面倒な遺言相談に悩む50代の主婦からの相談です。

<お悩み>
80代の母が、最近終活を始め、相続の話などをよく口にするようになりました。
ささやかな家を兄弟達(私のほかに姉と兄がいます)に残すので、仲良く使うように……まではいいのですが、「乗っ取られる危険があるから賃貸に出さないように」とか「家族の思い出があるから売らないで」とかいろんな注文をつけてきます。
正直、母の死後、相続した不動産を売ろうが貸そうが私たち兄弟の勝手だと思うのですが、自分が死んだあとまで細かいことをコントールしたがる母にややうんざりしています。
先祖代々守ってきたような由緒ある土地でもなく埋立地にある築40年くらいの3LDKの古家です。 母はたぶん死後のことを思うと寂しいからそんなわがままを言っているのだと思うのですが、そんな呪いみたいな言葉を残されると何をしても後味が悪くなりそうで嫌なのです。
兄弟達はすでに持ち家があるので、その家は相続しても貸すか売るしか使い道がない物件なのですが、母の遺言のせいで妙な罪悪感が出てきそうで下手をしたら空き家で放置になるかもしれません。気にしなければいいのかもしれませんが、真面目な性格なので母の言葉をスルーできるか自信がありません。
母が持ち家への執着を手放して、兄弟で相談して好きなように使いなさいと言ってくれると気が楽なのですが、どう説得すればいいでしょうか。 (栗アイス /50代主婦。つい最近娘が就職して夫と第二の人生をスタートさせたばかりです)

和田裕美さんの回答

栗アイスさん、ありがとうございます。

これはですね、結論からいうと
お亡くなりになってから
残されたご家族みなさんで相談して決めるしかないと思います。

これはあくまでの私の主観かもしれませんが
「思い出があるから売らないで」という気持ちは
生きているときしかない気持ちだと思うんですよ。
成仏するって、現生への執着がなくなることではないかと
思うのです。
生きている間に執着していたことがようやくなくなって
本当の意味で楽になれることが「死」ではないかと。
現世に執着を残してあげないほうが
お母さんのためにいいという判断を持ってみたら、どうでしょうか?

栗アイスさんはどうですか?
自分がおばあちゃんになって死んだときに
あの家売ったらいやだな~って死んでもずっと下界を見ていると
家に住みついちゃいそうな気がしません?(笑)

そこに念が残る。
だから売りたければ売っていいし、
その時の気持ちでお考えになったほうがいいと思います。

家があるからめんどくさいなとか
そいうネガティブな気持ちが生まれないほうがいい。
本当の親孝行はたとえ家がなくなっても、お母さんのことを忘れず
法事のときなどに集まってお母さんの思い出話をすることだと
和田は思います。

和田裕美(わだひろみ)●作家・営業コンサルタント。京都生まれ。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。書籍だけでなくラジオや会員サービス「パワースクール」など各種メディアで情報発信中。代表作に、『人に好かれる話し方』、『世界№2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『人生を好転させる「新・陽転思考」』等。新刊に『稼げる技術』(ダイヤモンド社)、『タカラモノ』(双葉文庫)など。
⇒ 公式サイト

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