くらし

【葬儀編】冠婚葬祭マナーの実力をクイズで試してみよう。

  • 撮影・青木和義、谷 尚樹(岩下さん) スタイリング・高島聖子 文・黒澤 彩

【問10】 「ご存命のときには大変お世話になりました」はお悔やみとして不適切。

葬儀・告別式での弔辞では、生前の故人との思い出や感謝を述べるが、通夜や弔問では、遺族へのお悔やみはできるだけ簡潔に。「悲しみにくれているときに、生前のことを思い出させるような表現はしないほうがいいでしょう。『このたびはご愁傷様でございます』という挨拶で充分です」(答え…○)

【知っておきたい、忌み言葉】

不吉な意味を連想させる言葉のこと。繰り返しをイメージさせるような重ね言葉、生死に直接結びつく表現のほか、宗派によって使ってはいけない言葉も。お悔やみの挨拶や弔辞はもちろん、通夜ぶるまいの席などでも注意したい。

▼ 不幸が繰り返されることを連想させる言葉
くれぐれも、かえすがえす、まだまだ、たびたび、いよいよ、ますます、しばしば、つくづく、また、次々、重々、ふたたび、再度、引き続き、くり返し、重ね重ね

▼ 生死を意味する生々しい表現
死亡、死ぬ、生きる

▼ 音が不吉な数字
4、9

▼ 仏式で避ける言葉
迷う、浮かばれない

▼ 神式やキリスト教式で避ける言葉
冥福、供養、成仏、仏、焼香、冥途、お経などの仏教用語

【問11】キリスト教式の不祝儀袋に自分で 「御霊前」と書いた。

「キリスト教式で避けなければいけないのは、『御仏前』や『御香料』。ハスの花など仏教のモチーフが型押しされているものもだめです」。キリスト教式と仏式、どちらにも使えるのは「御霊前」とされているものの、正しくは、「御花料」と書かれた、水引のついていない白無地の袋を持参する。挨拶も、「お悔やみ申し上げます」という仏式ではなく「安らかな眠りをお祈りします」と言う。献花、賛美歌合唱など、式の進行方法はキリスト教でも宗派によって異なる。(答え…△)

【不祝儀袋もいろいろ】

黒白の水引がついたものが一般的。銀色だとさらに格が上がる。京都では紅花で染めた慶事用の水引と区別するために、黄色と白の水引が用いられる。結び方は、「結び切り」(繰り返さないという意)の形。

【問12】焼香の回数は宗派によって決まっている。

焼香には、香りで邪気を払い、清めるという意味がある。香を親指、人差し指、中指でつまみ、目の高さにおしいただき、香炉に落とすのは同じだが、その回数が宗派によって異なる。「わからないときには1回でかまいません。お釈迦さまが1回でいいと言ったそうですから、どの宗派にも当てはまると考えていいのではないでしょうか」(答え…○)

【宗派によって異なる焼香の回数】

立って焼香する立礼と、正座して焼香する座礼とがあり、回数や香をおしいただく高さなども宗派によって少しずつ違っている。また、参列者が多い場合には宗派を問わず「お焼香は1回で」と決められることも。
※地方によって異なる場合もあります。

●曹洞宗
1回目は目の高さにおしいただき
2回目はおしいただかずに焼香する

●真言宗
 3回

●天台宗
 1回または3回(とくにこだわらない)

●臨済宗
 1回

●浄土宗
とくにこだわらない

●浄土真宗本願寺派
目の高さにおしいただかずに1回
焼香前に合掌しない
鈴(りん)をならさない

●浄土真宗大谷派
目の高さにおしいただかずに2回

●日蓮宗
導師は3回、一般参列者は1回

●日蓮正宗
 3回

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