くらし

毎日の生活で「あっ、これ」と思うイメージにぶつかったら、大事に記憶に残すのです――犬養智子(エッセイスト)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、家事のアイデア集から現代にも通じる暮らしのヒントを取りあげます。
  • 文・澁川祐子
1978年8月25日号「脱・専業主婦のための新・家事秘訣集」より

毎日の生活で「あっ、これ」と思うイメージにぶつかったら、大事に記憶に残すのです――犬養智子(エッセイスト)

いまでこそ共働き世帯が多くを占めますが、クロワッサン創刊当初は専業主婦世帯が主流の時代。2017年の共働き世帯は1,188万世帯、専業主婦世帯は641万世帯に対し、1980年は共働き世帯は614万世帯、専業主婦世帯は1,114世帯とほぼ逆転しています(男女共同参画白書平成30年版)。

だからこその「脱専業主婦」と銘打った特集。肝心の中身はというと、家事の負担を減らしてくれる手抜きアイデアはもちろん、人付き合いのちょっとしたコツから子育てのヒント、おしゃれのアドバイスまで多岐にわたっています。

具体的すぎるがゆえに現代の生活にはあまり参考にならないかな、と読み進めるなかで引っかかったのが「おしゃれのセンスは他人から盗む」と題した一節に出てくるひと言。シックな女友だちや映画のワンシーンなど、生活のなかで「あっ」と思ったイメージは流してしまわない。大事にインプットして糧にしようと呼びかけています。

これはおしゃれにかぎらず、いろんなことに当てはまること。同じように暮らしていても、得るものが多い人はやはり「あっ」を大事にしているに違いありません。

さらっと読みすごしそうになりながらも、このひと言に引っかかったのは、やはり私のなかで「あっ」が働いたからでしょうか。引きあいに出す例が、映画『軽蔑』(1963年)に出てくる、裸に赤いバスタオルを巻いたブリジット・バルドーの姿であるところなど時代をおおいに感じさせますが、胸の片隅にちょっと留めておきたい言葉です。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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