くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】8年付き合った恋人と今後どうするべきか悩んでいます。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は恋人との将来に悩む20代の女性からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>
8年付き合った恋人とどうするべきか、悩んでいます。と言うより、しっかり悩めていない自分に悩んでいる状況に困っています。
元々結婚願望が強いわけではなく、「ウェディングドレスは着たいなぁ」くらいの気持ちで生きてきました。両親が人並み外れて厳しく、いい歳をして付き合っていることすら隠しているのも問題だとは思うのですが、そもそもお互い「どうしたいか」がないのです。
この歳になると周りが次々に結婚していく焦りもあります。ただ、お互い在宅で仕事をしているため会う時間も長く、特に結婚する意味がないような気持ちも。反面、「事実婚」を貫く強さもなく……ぐだぐだと堂々巡りを続けています。 こんな無限ループから抜け出すには、どんな考え方をすれば良いのでしょうか。 (うにうに/女性/イラストの仕事で生計を立てている25歳です。相手は27歳、IT関連の仕事で自営業をしています。お互い一人暮らし、大学で知り合い付き合い続けて8年経ちました。特に大きな喧嘩もなく、お互い仕事を手伝うこともあります。)

山田ルイ53世さんの回答

「周りが次々に結婚していく焦り」はあるが、「結婚する意味がない」ようにも思える。
かと言って、「事実婚を貫く強さもなく」、考えが「ぐだぐだと堂々巡り」し「無限ループ」にハマっているとのこと。
結婚云々はさておき、相談者が今純粋に欲しているのは、「変化」ではないでしょうか。

言ってみれば、人生の「エコノミークラス症候群」。
飛行機に乗ったり、デスクワークに精を出したり……長時間座って、同じ姿勢でいると、血流が悪化し、冷汗、呼吸困難、ときには失神などの症状を引き起こすそうです。
そうでなくとも、腰は痛むし、何やらムズムズ、イライラするもの。
生きた人間が同じ姿勢を取り続けるのは難しい。
それが出来るのは死体のみです。
時折、体勢、姿勢を変えてやらねば、支障をきたしてしまう。
人生も同じ……などと"いかにも"な展開ですが、大切なのは、うにうにさんが機嫌良く暮らせる環境を確保・維持出来る選択肢は何かということ。
問題は、無限ループから抜け出すキッカケを、結婚にのみ求めている点ではないでしょうか。
お2人にとって大切な「結婚」というイベントを、「手段」にするのはあまり良い策だとは思えません。

とは言え、大抵の場合、膠着した事態を再び動かし得るのは、具体的な行動しかないことも事実。
ここは一つ、唯一明確な願望である、「ウェディングドレスは着たいなぁ」を実行してみるというのはどうでしょう。
いや、決して、
「もうなんかさー、結婚しちゃえばいいじゃん!?」
ということではありません。
コスプレで良いので、一度着てみてはというご提案です。
何かしら刺激を受け、「変化」が起こればしめたもの。
どのように転ぶかは筆者にも分かりませんが、いずれにせよ、全く変わらず微動だにしないというのは、人間の生理として無理があると思うのです。

ロクなアドバイスが出来ないので、ご結婚の際には、おめでとうコメントのVTRをお送りします。
要らないかもしれませんが。
お幸せに。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
⇒ 公式ブログ

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