からだ

「骨密度70%」は、もう骨粗鬆症なのです。

  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・風間りさ  文・越川典子、高橋顕子
「骨は何歳からでも若返ります。カギは“オステオカルシン”です」(太田さん) 「長生きしたい、というより元気でいたいと思いますね」(春原さん)

太田 女性医療の場合、病気を治すだけじゃなく、その人の人生そのものを豊かにするという面もあるんです。

春原 母が骨粗鬆症で痛みが出たりすると、QOLはぐっと下がりましたので、よくわかります。

太田 どう生きるかという、選択の問題でもあるんですね。

春原 早めに予防することは、元気な時間を長くする。自分で生き方を選んでいることにもなりますね。

太田 だから、私は「65–80(老後をハッピーに)」運動といって、65歳で腰椎のYAM80%を目指そうと、今いろいろなところで発信しているんです。

春原 年に1%減っても、75歳で70%。減らさなければいいわけですね。

太田 誰でも必ず介護が必要なときがきますが、私自身、それを少しでも先に延ばしたい。だから今、ジムに通って、加圧トレーニングで鍛えています。8年前から車もやめて地下鉄。けっこう、歩きますよ。冬はスキー、他の季節はゴルフ。たぶん、10年前より骨は丈夫じゃないかな(笑)。春原さんは、何か運動していますか?

春原 ヨガだけなんです……。

太田 ヨガもいいですよ。春原さんは体重が軽いので、意識的に負荷をかけましょう。簡単なのは、かかとを上げて、トンと床に落とす。それを1日50回行ってください。

春原 歯を磨きながらもできますね!

太田 それだけで、骨細胞からオステオカルシンという若返りホルモンが出ます。このホルモンはダイナミックで、認知機能を改善して、動脈硬化を予防、血糖値の上昇も抑える。つまり、全身の美と若さの土台そのものと言っていいでしょうね。だから、いくつになっても、あきらめる必要はないんですよ。

春原さんが今飲んでいるのが、SERM(サーム)と呼ばれる薬、ビビアント(エストロゲン低下による骨代謝を正常にする)と活性型ビタミンD3。

太田博明(おおた・ひろあき)●国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授、山王メディカルセンター女性医療センター長。女性医療の第一人者。産婦人科医。日本骨粗鬆症学会前理事長、日本抗加齢医学会理事。著書に『骨は若返る!』『抜群の若返り!「骨トレ」100秒』など。

春原久子(すのはら・ひさこ)●スタイリスト。編集者からスタイリストに転身。雑誌、CF、映画など幅広く活躍。とくに女優やタレントの信頼が厚い。本誌でもスタイリングを担当。

『クロワッサン』983号より

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