からだ

同室派? 別室派? パートナーとの寝室問題。

  • 撮影・中垣美沙 イラストレーション・KAZMOIS 文・澁川祐子

照明をひとつ置くだけで睡眠ストレスを軽減。

ひと口に同室派といっても、その内実はさまざま。スペースが限られているから同室にせざるを得ない“やむなく派”もいれば、多少の不満はあっても、やっぱり一緒に寝るのが安心という“進んで派”もいる。どちらにせよ、大切なのはお互いへの配慮。ちょっとした工夫でストレスを軽減できることもあると丹羽さんは語る。
「たとえば明るさの問題。照明というと、たいていは部屋の中央についていますが、これを点けると、部屋全体が明るくなってしまいます。先に寝ている人を起こさないよう、ベッドの足元付近を照らす照明を別に置くといいでしょう」

また、近年増えているのが「コンセントの位置」への要望。昨今では、枕元でスマホを充電しつつアラームも設定しているという人は多いだろう。特に同じベッドの場合は1本の電源ケーブルを共用せず、ベッドの左右にサイドテーブルなどを置き、延長コードを使って電源を振り分けることで、多少なりとも改善策を講じたい。

寝返りの振動や臭いが気になる場合は、スペースさえ許すなら、ベッドを別々にするのが近道。
ベッドの間に小さな家具をひとつ置くだけでも、適度な距離を保つことができます」
ベッドを分けられるだけのスペースがあるなら、ベッドや家具の配置も見直してみよう。
「男性はエアコンが大好きで、女性はエアコンが嫌いという、体感温度の違いもよく問題になります。エアコンが嫌いな人になるべく風が当たらないよう、風向きを考慮してベッドを置きましょう
物音が気になる場合も、音を立てるほうができるだけ入り口やクローゼット付近に寝るよう、配置替えしてみるのも手だ。

ベッドの間に衝立などの間仕切りを置く案も考えられるが、最終的に設置した例はないという。
「間仕切りだけでは、完全に音を遮断するのは難しいうえに、二人ともが賛同するケースがおそらく少ないからだと思います」
ただ明るさの好みに限っては、間仕切りは有効かもしれないと、丹羽さんは提案する。
「以前、ご主人は真っ暗でないと眠れないタイプで、奥様は朝日で目覚めたいというタイプのご夫婦がいました。結局、奥様が妥協しましたが、間仕切りを設置して窓のない片側に遮光空間をつくり、窓のあるほうとスペースを分けることも可能でしょう」
その場合の間仕切りには、天井にレールを設置する吊り下げタイプの引き戸がおすすめ。日中は開け放しておけるためだという。

同室のよくある悩みと解決例。

【夜遅く帰ってきた夫が寝室の電気を点灯。眩しくて目が覚め、眠れなくなる】明るさ問題は、照明をプラスして解決。どちらかが寝ている場合、真上の照明は使わずに足元だけを照らすフロアランプを。読書する場合は、それぞれ枕元に専用の手元灯を設置するといい。
【毎朝早くに出勤する夫。身支度の物音で起こされてしまうのがつらい】寝室脇にクローゼットをつくるなら、寝室を通らずに入れる入り口をつくっておくこと。リフォームができない場合、洗面所や廊下に必要最低限の衣服を置いておく収納棚を設置する手もある。
【遅く帰った時は別で寝てほしいが、別室をつくるほどのスペースもない】妻と子どもが一緒に寝ていて、夫が遅く帰ってくると子どもが起きてしまうという悩みは多い。居間の一角に2〜3畳の畳スペースを設ければ、遅い時は仮のベッドに、ふだんは寛ぎ空間に。
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