からだ

最近よく聞く虚血性心不全の前に、大人の女性が気をつけたい心疾患があると聞きましたが…。

  • 撮影・青木和義 文・及川夕子 イラストレーション・川野郁代

血圧や心電図の計測も忘れずに。日ごろの手入れが肝心。

フリーアナウンサー 竹内香苗さん

竹内 ここまでをまとめると、遺伝や喫煙などの影響がなければ、一般に40〜50代で心筋梗塞の恐れはない。ただし、閉経後は男性同様に血管の老化が進むので、心臓病予防には生活習慣病対策が必須。加えて、女性特有の狭心症があることを知っておくとよいですね。食事や運動などで、気をつけるべきポイントはありますか?

天野 閉経後は、血圧や血糖値が上がりやすくなりますし、骨も筋肉も衰えやすくなりますから、減塩と運動は必ず取り組んでほしいですね。運動は、有酸素運動を取り入れて。エレベーターを使わず階段を使う、ひと駅分歩くなど、無理なく継続できるように工夫をしましょう。

竹内 ストレス対策もしておいたほうがよいですよね?

天野 そうですね。ストレスがあると、血圧も血糖値も上がってしまいます。

40代以降の女性は、循環器の病を考慮して、内科の医師とお友だちになってください。(天野さん)

医師 天野惠子さん

天野 ところで、竹内さんは定期健診は受けています? 心臓病予防の観点からいうと、血圧や心電図を定期的に測っておくことも大切ですよ

竹内 年に一度の健康診断を受けていますが、心電図はオプションだったかも。意識して受けるようにします。あと、かかりつけ医を持ちなさいとよくいわれますが、やはり大切ですか?

天野 女性は40歳までは産婦人科を主治医にしなさい、40代以降は内科の先生とお友だちになりなさいとよくいいます。閉経前は月経が体調に影響するので、やはり婦人科が頼りになります。閉経後は、臓器の疾患が増えていきますからね。そういう意味では、女性はわかりやすいともいえます。
男女は、性格も行動も生まれたときから違いますよね。無理矢理同じにすることはなくて、医療も性差を充分考慮して、対応することが大事だと思いますね。

竹内 本当にそうですね。閉経を境に身体が変わることについては、なんとなく認識していました。けれど、血管の状態にも、心疾患の発症にも性差があると新たに知って、しっかり意識して生活していこうと思いましたし、心臓病の注意点については、70代の母にも教えてあげたいです。そして、ライフステージに合わせて、医師と仲良くしていくことも大事。今日は収穫がたくさんありました!

天野 これから人生100年時代に入っていくのですから、心臓をできるだけ長持ちさせないと。それには日ごろの手入れが大事ですよ。そして、閉経前に心筋梗塞や狭心症になるということはまずあり得ないことなので、あったら大問題。胸痛や息切れ、動悸などがあったら、年齢のせいにしてはダメ。循環器内科を受診して、必要な検査を受けてくださいね。

竹内 はい。私はまだ子育て中で、自分のことは後回しになりがちなのですが、女性ホルモンに守られている間も、その後も、自分の身体ときちんと向き合っていきたいですね。

竹内香苗(たけうち・かなえ)●フリーアナウンサー。2001年、TBSに入社。’12年からフリー。現在『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)の火曜アシスタントを務める。

天野惠子(あまの・けいこ)●医師。静風荘病院 女性内科・循環器特別顧問。循環器疾患、性差医療のスペシャリストとして女性特有の症状の診察に尽力。

『クロワッサン』976号より

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