日本で比較的安価で販売されているはちみつの多くは、加熱することで糖度を人工的に増したもの、あるいはブドウ糖液などの甘味料を足して甘みを加えたものなど。
これに対して、成分調整や添加物を用いていないのが、天然の純粋はちみつ。傷薬やスキンケア用品などとしての効果は、この天然のはちみつでなければ期待できない。
はちみつが持つ数々の素晴らしい効果を確実に得たいのなら、信頼できる養蜂家から間違いのない天然はちみつを手に入れる。あるいは、メディカルハニーと呼ばれる医療分野で利用されているような、高い健康効果が期待できるものを入手する。
養蜂家の情報を得るのが難しい、選択肢が多すぎて迷ってしまう、あるいはメディカルハニーは高価でちょっと手が出ない。そんなとき、比較的安価で迷わず購入できるものに、「日本薬局方(にほんやっきょくほう)」のはちみつがある。
日本薬局方のはちみつ。50g。比較的安価で手に入る。
日本薬局方は明治19年に公布された医薬品の規格基準で、ゆうに100年以上の歴史がある国の〝お墨付き〟。現在では厚生労働省が、効き目ありと認めた薬であるという認定証のようなもの。
日本薬局方のはちみつに記された用法を見てみよう。
《栄養剤、甘味剤として、そのまま又は適宜うすめて用いる。口唇の亀裂・あれには、そのまま患部に塗る》
欧米に比べて日本では、古来はちみつが医療に積極的に利用されてきたという記録にはなかなかお目にかかることはできない。それでも日本薬局方の表示には、粘膜の保護や修復に効果を発揮するはちみつの特性がしっかりと記されている。
この日本薬局方のはちみつは、医師の処方せんがなくても購入できる一般用医薬品の中で、第三類医薬品に分類されている。
2009年の薬事法改正で、一般用医薬品は3つのグルーブに分類されることになった。第一類医薬品は、使用に際してとくにリスクが高いもの、第二類医薬品はリスクはそれほど高くはないが、その懸念がまったくないわけではないもの。胃薬、解熱鎮痛剤などがこれらのグループに属している。
第三類医薬品は、一般用医薬品の中で最も安全性が高いとされているもので、ビタミン剤などがこれに当たる。
第一類と第二類は薬剤師のいる店舗でしか購入できないが、第三類に関しては対面販売でなくとも取り扱うことができるので、ネットでも購入が可能だ。ネットで気軽に買えるとあれば、安心して使える一瓶として常備しておく手もあり。