からだ

更年期を乗り切る食事のコツ。

更年期を乗り切るには食べることで体を整えるのも簡単で効果的な方法です。
  • 撮影/黒川ひろみ イラストレーション /ノグチ・ユミコ 

体調は食べ方で決まる。体の声に耳をすませて

管理栄養士の検見﨑聡美さんは、今年53歳を迎える、まさに更年期世代です。 「幸い私はそれほどつらい症状はないんですけど、それでもやっぱり更年期を含め、年齢による不都合はないとは言えませんね。食生活も見直しどきです」と、言います。

仕事柄、不足しがちな栄養素や体の変化にも詳しいけれど、反面、撮影やレシピ開発など、とにかく食べなければならないことも多いのだそうです。 そうした中で食生活や体調管理をどうしているんでしょう?
「とにかく朝ひと通り必要なものを飲んじゃうことにしています」と驚きの一言。「3食規則正しく食べることがもちろん大切なのはよくわかっているんですけど、無理なこともありますよね。撮影が続けば、昼食が摂れないことや、試作や準備で同じ食材を食べ続ける日も出てきますし、だったら朝食で必要だなってものをまとめて摂ってしまうと安心なんです」

なるほどこの考え方、働く女性にも共通しそうです。現代の女性の50歳はまさに働き盛り。責任あるポストについている人だけでなく、子育てが一段落したら今度は介護に忙しくてなど、それぞれ自分の自由に食生活が送れているわけではありません。

検見﨑さんが「朝まとめて摂る」のは、豆乳、牛乳、プラス乳酸飲料や野菜ジュースなのだそう。 「ドリンクばかりでお腹いっぱいになっちゃこともあるんですけど、私の年齢でまず気をつけたいのは女性ホルモンの減少と骨密度。そう考えると豆乳、牛乳は欠かせませんから」 腸の調子を整える力も徐々に衰えてくることは確かなので、乳酸飲料やヨーグルト、食物繊維なども心がけて摂っているそうです。

豆乳は強い味方。 好みに合った味を

大豆の風味を感じる濃厚なもの、くせのないさっぱりしたものと、同じ無調整の豆乳でも味わいはさまざまです。あれこれ試してみて、好みのものを見つけるのが長続きのコツですね。アレンジにも工夫をすれば飽きません。

健康にいいからとプラスばかりじゃダメ

健康のためには何を摂ればいいですか?」と聞かれることが多いけれど、「最近は健康情報があふれすぎていて、みんな『何を摂ればいいか』ということばかり考えている」と苦笑します。体にいいかどうかばかりが気になってストレスになってしまっている人も少なくないのは本末転倒です。

もう一つ、体のためにと「プラス」して食べたり飲んだりすることも不健康だと言います。いつもの食事に健康にいいものをプラスすれば明らかにカロリーオーバーなのに、分けて考えてしまう人が多いのだそう。「更年期対策といっても、豆乳や牛乳にもカロリーはありますから、その分何かを減らさなくては」と。

さらに症状改善につなげようと一つのものを集中して摂るのもNG。

「食事はバランスですから、健康食を意識しすぎて全体のバランスがくずれては意味がありません」

検見﨑さん自身、食べる量は人より多くなってしまいがちなので、できるだけ歩き、普段の食事は腹八分目を意識するように気をつけているけれど、「ねばならない」とは思わないそう。おつまみに大豆を取り入れたり、おやつをチーズにしたりと「健康食」ではなく、「健康的な食生活」を提案したいという言葉が印象的です。

1.女性ホルモンを補う

更年期は女性ホルモンが急激に減ることによって起きるので、大切なのはその対策。大豆イソフラボンはエストロゲンの代わりになるうれしい食材。日本人は豆腐や納豆、油揚げ、高野豆腐などの食材に加え、みそ、しょうゆなどの調味料まで大豆を摂ってきました。大豆補給には和食の比率を増やすのもポイントかも。

2.骨粗しょう症対策

エストロゲンが減ってくると、骨密度が急激に低下するので、更年期を境に骨粗しょう症になる可能性が増します。対策は骨にいい栄養素をしっかり摂ること。カルシウムだけでなく、骨の大半を占めるコラーゲンの原料になる、たんぱく質食材をしっかり摂ること、骨代謝にはビタミンやミネラルが必要なことも知っておきたい。

3. 血管にも気を使う

エストロゲンに守られていた女性の体は更年期以降、脂質異常症や動脈硬化、心筋梗塞、脳出血、高血圧など、生活習慣病の危険にさらされます。予防のためには血管の健康を心がけることがとにかく大切。意外に思われるかもしれませんが、その一つに油があります。青背魚のEPAや、良質な植物油の摂取も心がけましょう。

腸も大切です!

腸内環境が健康に大きく関わることが注目されています。善玉菌を増やすには、ドリンクなどから乳酸菌を補うのもいいことですね。食物繊維も忘れずに!

検見﨑聡美さん(けんみざきさとみ)
管理栄養士、料理研究家。体にいい食事はおいしいことが一番という考えのもと、シンプルで毎日の暮らしに取り入れやすいレシピの提案を続けている。食事療法からおつまみまで、幅広く手がけ、著書も多数。

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監修 高尾美穂(たかお・みほ)

女性のための総合クリニック イーク表参道副院長。産婦人科専門医・医学博士。東京慈恵会医科大学大学院修了後、東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科助教、東京労災病院女性総合外来などを経て現職。女性スポーツ医学にも見識が深く、文部科学省・国立スポーツ科学センター女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバーも務める。ヨガ指導者としての顔も持つ。

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