じんましんの専門外来で長年診療を続ける医師の石黒直子さんによると、じんましんは、統計的には5人に1人が一生に1度は経験すると言われている、とてもありふれた病気です。日本では、1カ月以内に治るものを急性じんましん、1カ月以上続くものを慢性じんましんと定義しています。
最大の特徴は、発症しても数時間後にはあとかたもなく消えてしまう点。「赤い盛り上がりやかゆみを伴い、全身のどこにでも現れます。次々と出ているとずっと続いているように見えることもありますが、出ては消える、場所を移動する、形が変わるといったものなら、それはじんましんです」と石黒さん。
ほかの病気との違い、見分け方についても紹介しておきましょう。
湿疹なら……
赤いブツブツが現れて、すぐには消えずに数日から1週間以上は続きます。ひどくなるとシミが残ることがあります。
虫刺されなら……
赤く膨らむ、かゆみを伴うなどはじんましんと似ていますが、虫刺されは、刺されたところの中心部が赤くなり、やや硬く盛り上がり、それが数日続きます。
あせもなら……
からだや腕の内側に発疹ができます。軽いかゆみを伴いますが、すぐに消えることはなく数日は続きます。じんましんにも汗で出るものがありますが、数時間で消えてしまいます。
くり返しになりますが、一般的にはじんましんなら症状がでてから数時間後には消えてしまう。そこが大きな違いですね。