からだ

Vol.34 食事をするといつも胸やけします。【40歳からのからだ塾WEB版】

逆流性食道炎が起こるしくみ

診断に用いる圧痛点の位置

食道には胃酸から粘膜を守る防御機能がないため、逆流した胃酸にさらされると炎症を起こし、粘膜にただれや潰瘍が生じる。

普段、下部食道括約筋は胃の中のものが逆流しないよう閉じているが、胃に食べ物が溜まってくると開き、ゲップ(胃にたまった空気の排出)とともに胃酸が逆流することがある。
胃の粘膜には、強い酸性の胃酸から胃を守る働きがあるが、食道にはその働きが備わっていない。そのため、逆流した胃酸にさらされると炎症を起こし、食道の粘膜が傷ついたり、ただれや潰瘍が生じたりする。

生活習慣や体型が影響
治療は薬物治療がメイン

胃食道逆流症には、以下の2つのタイプがあります。

(1)逆流性食道炎:食道の粘膜が傷つきびらんが起きているタイプ

(2)非びらん性胃食道逆流症:食道に傷はないけれど、粘膜が過敏になり、少しの胃酸にも反応してしまうタイプ

40代の女性に比較的多いのは(2)のタイプだそう。ただ、その理由はよくわかっていません。

この疾患は、内視鏡検査でびらんなどの所見が見つからなくても、症状があれば治療の対象となります。つらい胸やけに悩んでいるなら、一度病院を受診しましょう。
治療の基本は薬物療法になります。胃酸の分泌を抑える薬でコントロールしながら、胃酸を中和する薬、胃腸の運動を整える薬などを補助的に使っていきます。のどのつかえ感などの症状が起きている場合には、漢方薬を使うこともあります。
ただ「特効薬はないとも言え、胃酸を増やすような食習慣を見直すことも大切です」と稲森さん。薬だけに頼らないことが大事なのですね。

症状改善効果としては以下のようなものが認められています。

  • 生活習慣、食習慣改善による胃食道逆流症(GERD)症状改善効果
  • 〈症状改善効果が確認されているもの〉
    ・体重を減らす
    ・ベッドの頭側を上げる
  • 〈有効性が報告されているもの〉
    ・タバコ、アルコール飲料、コーヒー、チョコレート、スパイス、かんきつ類、炭酸飲料、高脂肪食、ミントの摂取を控える
    ・右を下にして睡眠をとらない
    ・夜遅く食事をとらない

資料提供:稲森正彦

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