からだ

Vol.34 食事をするといつも胸やけします。【40歳からのからだ塾WEB版】

早食い、食べ過ぎ、高脂肪食、飲酒、喫煙、それに一気に大量に食べる、間食が多く休みなく食べるなどの食習慣は、胃酸の分泌を増やしたり、胃と食道のつなぎ目にある下部食道括約筋が開きやすくなる原因になります。ほかには、夕飯を食べてから寝るまでの時間が短いと、この疾患になりやすいという研究も。また、肥満気味の人は、胃が圧迫されることで胃酸の逆流につながります。原因になりそうなことは避けて、予防に努めることが大事です。

逆流性食道炎の診療科と
間違えやすい病気

症状が強い場合は、内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
「食道の炎症が進み粘膜が変化すると『バレット食道』(食道の粘膜が胃の粘膜と似た組織に変化した状態)になることがあり、まれに食道腺がんを発症することがあります。逆流性食道炎と診断されたら、定期的に検査を受けることが大切です」と稲森先生。

つかえる、痛い、吐いてしまうなどの症状が強い場合は、まれに
「食道アカラシア」という別の疾患の可能性も考えられるそうです。いずれにしても、胃から喉にかけて不快な症状がある場合には、一度検査を受けておくと安心ですね。

ちなみに、「のどの詰まり感・違和感」は、更年期の女性によく見られる症状です。症状はあるのに、内科や耳鼻咽喉科で診察・検査を受けても異常がないものを「咽喉頭異常感症」といいます。この症状と原因や対処法については、以前ご紹介しています。よかったら過去の記事(vol.21のどが詰まる感じがします。)も、参考にしてみてください。

次回は、胃の「痛み」に注目します。

ご協力いただいた医師

稲森正彦さん 横浜市立大学附属病院 消化器内科・医学教育学 主任教授

いなもり・まさひこ●横浜市立大学附属病院に胸やけ外来を開設。胃食道逆流症、逆流性食道炎の診断・治療・研究に力を注いできた「胸やけ」診療のエキスパート。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

ライター、メノポーズカウンセラー 及川夕子
更年期、まっただ中のライター。最近、ちょっと休んだぐらいでは疲れが抜けなくなってきて、以前よりもカラダのメンテが欠かせなくなったと実感。とはいえ、カラダの変化をポジティブに捉え、同年代の女性の健康に役立つさまざまな情報をお伝えしていきたいと思っています。ただいま、ヨガやマインドフルネスを実践中。ホルモン補充療法も試してみたい!
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