からだ

お米と味噌汁をしっかり食べて、カロリーを燃やせる身体に。

ダイエットには我慢がつきもの。そんな考えはもう古い? ストレスのない正しい食べ方、教えます。
  • 撮影・岡本 潔 文・大澤千穂 料理・渡邊美穂

これまで4万人以上の食事指導を行った経験から「我慢しないで痩せる食べ方」を提案し、自らも実践中の柏原ゆきよさん。下の写真はその柏原さんのある日の食事例だ。お米は毎日3食で2合(!)、外食は思い切り楽しむ。大きなおにぎりを見て「こんなに食べていいの?」と驚く人も多いだろう。

【朝】自宅にて。

雑穀ご飯(1杯200g)、具沢山味噌汁大きめのお椀1杯、大根おろし、納豆。

雑穀は自らプロデュースした岩手県産。WEBで購入も可。「マイ穀」maikoku.shop-pro.jp

【昼】おにぎり屋さんにて

大きめおにぎり3つ(1個180g)、味噌汁。

おにぎりは大3個。オフィスでのランチはおにぎり屋さんで購入。味噌汁は味噌とダシ、具の乾物を常備して、お湯を注ぐ簡単手作り。

【夜】焼き鳥屋さんにて

釜めし(1人前260g)、串8本、野菜串5本、三葉おひたし、枝豆、鶏スープ、ビールグラス2杯、焼酎お湯割り3杯

飲み会ではお酒も料理も制限なし。でもビールの後は体を温めるお湯割りを飲み、釜めしでお米も摂取するなどメニューは賢くチョイス。

「ダイエットというといかにカロリーを抑えるかという話になりがちですが、楽しく食べながら痩せるために必要なのは、カロリーを減らす食事ではなく、摂取したカロリーをしっかり燃やせる体。そのためには三大栄養素のなかで最も燃えやすく、代謝のためのエネルギーとなりやすい炭水化物をきちんと摂ることが重要です」

炭水化物といえば、ダイエットの敵として挙げられる食材の筆頭だが、柏原さんの理論はまったく逆だ。

「炭水化物を減らすと、体が代謝しにくくなり太りやすい体に。炭水化物のなかでも主食にすべきは、断然お米。食べても太らないためには脂質を抑えることが大切なのですが、パンやパスタなどの小麦食は脂質が多め。その点お米には脂質がほとんどありません」

お米は白米でもいいが、雑穀ご飯にすると、さらにカロリーが燃えやすくなり、代謝もアップする。

「雑穀にはカロリーを燃焼するための〝着火剤〟として体内で働くビタミン、ミネラルが豊富。さらに歯ごたえもあるので、咀嚼が増えます。噛むことで唾液が出て、胃腸が働くスイッチになるんです。胃腸はほぼ筋肉でできているので、胃腸を動かすことは、いわば内臓の筋トレ。代謝アップに繋がります」

代謝を高めることが、食べて痩せる生活のカギ。ここにご飯と相性のよい日本古来の発酵食材を使った味噌汁を加えれば、燃えやすさはさらに増す。

「味噌は体を温める作用が強いので、体温を上げてカロリー消費を促進する効果大。筋肉や肌を作るタンパク質豊富でアンチエイジング効果も高いので、ぜひご飯と一緒に味噌汁を」

ご飯も味噌汁もたっぷりと。とはいえおかずの量には注意が必要。

「おかずは脂質が多くなりがちなので、お米を増やしたらおかずは控えめにしましょう。ご飯とおかずの比率は6対4が理想です」

ハレの食事で我慢はしない。 大切なのは全体のバランスです。

お米と味噌汁を食の基本と心得つつ、柏原さんは「ストレスなく食を楽しむこと」もまた重要と考えている。

「ストレスは健康と美容の敵。だから友だちとの食事や飲み会など楽しい席で我慢は禁物です。お酒も体調の許す限りどうぞ。お酒のカロリーは体内で使われず分解されてしまうので、気にする必要はありませんよ」

肝心なのはその〝楽しむ食〟と〝体を作る食〟とのバランスだ。

「飲み会の前や食べすぎた後は、ご飯と味噌汁中心でシンプルにするなど、数日から1週間スパンで食事を調整する習慣をつけて。私はそういう時の食事を〝リセット食〟と呼んでいます」

柏原さんのおすすめは最初の2週間、全食事の5割以上、できれば8割をリセット食に置き換えてみること。

「人間の体は約2週間かけて環境に適応していきます。だからその期間、燃料に変わりやすい食材をたくさん食べて、カロリーを燃やしていいということを体に教えるんです。そうすればその後は多少高カロリーなものを食べても消費できる体になりますよ」

そのとき食べるものとともに、食べ方にも気をつけたい。

「よく噛んで食べることで、満足感もアップします。一食20 分以上かけてゆっくり食べてください」

まずは2週間。ご飯と味噌汁をしっかり食べて、燃やせる体を目指そう。

『クロワッサン』952号より

●柏原ゆきよさん 管理栄養士/一般社団法人日本健康食育協会代表理事。「しっかり食べて太らないカラダづくり」メソッドを確立。無料メルマガ「おなかやせメール」を配信。最新刊『〜ズボラな人に朗報!〜食べて飲んで おなかからやせる』(かんき出版)が6月28日発売。

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