「白湯はいまブームになりつつありますが、誰にでもアツアツの白湯がいいとは限らないことがわかったんです。たとえば更年期のイライラやホットフラッシュに悩んでいる人は熱が体内にこもっているので、熱を余計に溜めこんでしまいます。でも湯冷ましを飲めば、体に溜まった熱や強い感情を尿とともに排泄することができます。つまり、白湯は体調や抱えている不調によって飲み分けることが大事なんです」
頭痛や生理痛など、自分の悩みに合わせて、表(下参照)の用法、用量を参考に、白湯を1週間飲み続けてみよう。悩みは改善されるはずだ。
「とくにこれからの暑い季節は消化力が一番落ちるときなので、白湯にスパイスを加えてパワーアップさせるのも方法。クミンは食欲増進になるし、コリアンダーやカルダモンは消化力を弱らせずに清涼感をもたらします。なかでもトリカトゥという、黒こしょう・長こしょう・乾燥しょうがの3つの辛味を合わせたスパイスは最強の消化促進剤。ただ、体に熱がこもっているときは控えてくださいね」
白湯に使う水はその土地のものがベスト。水道水でもいい。
「アーユルヴェーダは実践科学です。白湯には副作用がないので、まず飲んでみて得られる効果や変化を感じてみてください」
【コリアンダー水】
〈作り方〉水400~500㎖にコリアンダーシード小さじ3杯を入れて、半日から一晩浸水させる。ミントを浮かべて飲むと爽やか。「灼熱感を抑えます。冷蔵庫に入れると胃腸が弱るので常温で」
【カルダモン+白湯】
〈作り方〉グリーンカルダモン3粒のさやに切り込みを入れるか、種が少しこぼれる程度に叩く。鍋に水200㎖とカルダモンを入れて、蓋をせずに沸騰させ、火を止めて常温まで冷ましてから飲む。
【クミン+白湯】
〈作り方〉ティーポットに白湯200㎖とクミンシード小さじ山盛り1杯を入れ、クミンが沈むまで蒸らす。「腸の蠕動運動を促すので、カチカチ系の便秘に効きます。子宮の浄化にも」
【トリカトゥ+白湯】
〈作り方〉黒こしょう・長こしょう(ピパーツ)・乾燥しょうがをすりつぶして粉末状にし、同量を混ぜ合わせてトリカトゥを作る。白湯200㎖にティースプーン半分程度のトリカトゥを混ぜて飲む。