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多種多様に揃う中から、自分に合う植物油を選ぶには?

摂りすぎはよくないけれど、適量をうまく取り入れれば健やかな体に導いてくれる。そんな脂質の摂り方とは? 管理栄養士、料理研究家の牧野直子さんに教わります。

撮影・青木和義 文・野尻和代 構成・中條裕子

風味も栄養分も異なる植物油は、その種類もさまざま。どうやって選んだらよいかは迷うところだが……。

「加熱しても酸化しにくいオリーブオイルや米油、グレープシードオイルなどを普段使いとして常備しながら、脂肪燃焼効果のあるココナッツオイルや、LDLコレステロールの合成を抑えるえごま油やアマニ油など、気になる健康効果のあるオイルを取り入れてみては。使う際にはプラスするより、普段使いの油と一部置き換えるといいでしょう」

原料も異なれば、栄養成分もそれぞれ。
原料も異なれば、栄養成分もそれぞれ。

1. アマニ油

血糖値上昇を抑えるなど、オメガ3系オイルの代表格

アマ科の一年草「亜麻」の種子が原料。話題の健康成分・オメガ3系のα-リノレン酸をメインに、オメガ6系のリノール酸も多く含む。熱に弱く、加熱調理には不向き。さっぱりとしているが、熱を加えると生臭さが出るので、かける、つける、混ぜるなど生のまま使いたい。酸化しやすいので早めに使い切ること。

向いている料理
ドレッシング、ソース、スープやヨーグルトにかけるなど。

有機亜麻仁油(オーガニックフラックスシードオイル) 170g 1,450円(紅花食品 TEL.050・3786・3793)

2. えごま油

生活習慣病を防ぐというα-リノレン酸が豊富

原料はシソ科の一年草である「荏胡麻(えごま)」の種子。体内では生成できない必須脂肪酸のα-リノレン酸の含有量はアマニ油より少し高く、ビタミンEやリグナンなど抗酸化成分も豊富。生搾りは多少えぐみがあるので、濃いめの味付けの料理に合わせると食べやすい。アマニ油同様、生食向きで長期保存は不向き。

向いている料理
ドレッシング、ソース、味噌汁やスープにかける、韓国料理など。

生搾りえごま油 110g 2,100円(アルバ https://www.egoma-iwate.com) 

3. オリーブオイル

多彩な抗酸化成分も加わり美と健康をサポート

オリーブの果実から抽出。オメガ9系のオレイン酸が主成分ながら、α-リノレン酸やリノール酸、さらにポリフェノールやビタミンE、クロロフィルなど、女性にうれしいさまざまな抗酸化成分も含む。熱に強く加熱調理可能で、酸化しにくいのも魅力。オリーブの風味が強いので、減塩料理などの調理に使うと満足度が高い味わいに。

向いている料理
パスタや洋風の炒め物、揚げ物、オイル煮など。生でサラダにも。

ヴィラブランカ オーガニック エキストラバージンオリーブオイル 250ml 1,566円(nakatoオンラインストア https://www.nakato-onlinestore.com/

4. ごま油

セサミンの抗酸化作用と香ばしい風味が魅力

焙煎したごまから油分をしぼったオイル。ビタミンK、ビタミンEといった栄養が含まれ、オレイン酸とともに、人の体で作ることのできないリノール酸も豊富。ごま特有の成分として話題のセサミンなども含まれている。料理に使用することで、香ばしい風味が引き立つ。日々の食卓に取り入れやすい油のひとつ。

向いている料理
中華料理や和食。炒め物や仕上げの風味づけにもおすすめ。

九鬼 ヤマシチ純正胡麻油 170g 453円(九鬼産業 TEL.0120・50・1158)

5. グレープシードオイル

さっぱりとクセがなく和洋中どんな料理にも

ワイン醸造の際に除去されるブドウの種から抽出。必須脂肪酸であるオメガ6系のリノール酸は、植物油の中でも屈指の含有率。ビタミンEも豊富で、抗酸化作用が期待できる。すっきりと軽い風味でクセがないため、ドレッシングやマリネなど生食に使用可能。熱にも強く、炒めものをはじめ幅広い料理、調理方法に活用できる。

向いている料理
和食、洋食、中華。特に揚げ物はカラッと仕上がる。

日清ピュアグレープシードオイル 400g 775円※編集部調べ(日清オイリオTEL.0120
・016・024) 

6. なたね油

揚げ物、炒め物など加熱調理で大活躍

アブラナの種から採れるオイル。LDLコレステロールの減少が期待できるオレイン酸が主成分で、リノール酸、少量ながらα-リノレン酸も含有。骨を丈夫にするビタミンKも豊富に含んでいる。味や香りにクセがなく、加熱しても酸化しにくいので、幅広い料理、用途に用いることができる。キャノーラオイルはなたね油の一種。

向いている料理
揚げ物、炒め物。粉物をふんわり仕上げるのでケーキもおすすめ。

米澤精油 国産なたね油 600g 1,350円(三越伊勢丹オンラインストア https://www.mistore.jp/shopping) 

7. 米油

更年期の症状も緩和。デイリーに使える万能選手

米ぬかや胚芽を原料とし、オレイン酸やリノール酸が主成分。米特有の成分・γ-オリザノールとトコトリエノールも含んでおり、中性脂肪やコレステロールを減少させるほか、抗酸化力に優れ、更年期症状の緩和や自律神経を整える作用も。クセがなく、まろやかな風味で、熱に強く、和食をはじめ日常的な料理に使いやすい。

向いている料理
揚げ物、炒め物など加熱する料理全般。ケーキやドーナツなどにも。

米油ペットボトル 600g 756円(三和油脂 TEL.023・653・3021)

8. ココナッツオイル

素早くエネルギーに変わる、ダイエット中の味方

ココナッツの実の胚乳層を圧搾した油脂。すぐにエネルギーとして変換される中鎖脂肪酸を多く含むので、体脂肪として蓄積されにくいのがうれしい。約25度以下になると白く固まる。酸化しにくく、熱に強いという性質も。独特の甘い香りがあるので、トーストにバターの代わりに塗ったり、風味を生かしてコーヒーや紅茶に入れても。

向いている料理
玉ねぎのソテーなども風味がよく、マフィンなどお菓子作りにも。

有機EVココナッツオイル 425g 1,922円(ブラウンシュガーファースト https://brownsugar1st.com

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