ながら運動と簡単エクササイズで足裏のアーチを取り戻す。
対策を理学療法士の宮澤俊介さんに聞きました。
撮影・青木和義、谷 尚樹(インソール取材) スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・大谷亮治 モデル・nozomi イラストレーション・浅妻健司 体験談コラム文・嶌 陽子 構成&文・堀越和幸
歩き方、履きやすい靴、インソールでさらに補強!
あえて不安定な状態で練習をすると、歩きの重心がわかる。
足裏の感覚が正常に戻り、姿勢もスッとしてきたら、この際だから、そのままきれいに歩くところまでを極めたい。
「きれいに歩く、というと頭頂部やおへそを意識したり、手の振りを気にしたりとなりがちですが、これらを一遍に体現できる人はそうそういません」
ではどうするか? 宮澤さんが教えてくれたのはいたってシンプルな練習法で、つま先歩きと踵歩き。
「足裏の少ない面積で歩くことで、体の中心の位置は自然と整います。この感覚をきれいな歩きに取り入れるのです」
意識はバランスをとることに最大限に集中している一方で、自然と胸が上がり、背筋が伸びる。やってみよう。
つま先歩き
つま先歩きのルールは2つ。親指の付け根の母趾球で立つ。そして膝は曲げないで歩く。すると胸の高さが自然と持ち上がり、蹴り出しもきれいに。歩く前にやってみよう。
踵歩き
踵歩きも膝を曲げないのはつま先歩きと同様、さらにはお尻を突き出さないように歩いてみよう。すね部分の前脛骨筋(ぜんけいこつきん)が鍛えられ、日頃のペタペタ歩きが改善される。
歩きやすい靴を探して、さらに土台のアーチをサポートする。
ここでは回内足の人が歩きやすく履ける靴を紹介。下4足は落ち気味のアーチのサポートが期待できるタイプ。
「インソールの形状も大切ですが、靴底がある程度硬いというのも選び方のポイントになると思います」
もう一つの考え方は上写真のような素足感覚で履ける靴。日常生活の中で本来のアーチを自然に取り戻したい、という人はぜひ試してみよう。
ビボベアフット プライマスライトⅢ ウィメンズ
人間の本来の姿であるベアフット(裸足)のコンセプトから、従来の靴にあるクッションやヒール、アーチサポートなどの機能を一切取り払ったミニマルシューズ。生活で履き馴染むうちに眠っていた足裏の力が蘇ってくる。
レキップ パトリック×レキップ コラボスニーカー
人気ブランド〈レキップ〉とフランス生まれのスニーカーブランド〈パトリック〉のコラボスニーカー。シンプルなデザインと軽やかなニット素材で長時間歩いても疲れない。ソールがしっかり硬めであるところも大人の女性に向いている。
On Cloud 5
立体設計のインソールで足を包み込むように歩行をフォローするスニーカー。ゴムひもタイプなので、スリッポンのように簡単に脱ぎ履きができる使い勝手の良さもうれしい。人気ブランドの象徴的モデル。
ホカ オラ リカバリー シュー 2
EVA樹脂素材を使った独自のミッドソールが高いクッション性と安定性を提供。
"メタロッカー"と呼ばれる靴底のカーブがいつもの歩行を自然に前へと導いてくれる。リカバリーシューズの代表的モデル。
テリック アンサイナス
普段使いにピッタリのリカバリーシューズ。甲全体を巻きつけるようにホールド性を高めたサイドレースタイプが特徴的。着地時の衝撃を吸収するように設計されたアーチサポート独自の機能が足全体の負担を軽減してくれる。
本誌ライターのインソール作り体験記。
最近、長時間歩くとすぐに疲れてしまう私、ライター嶌。寄る年波のせいなのか、もしかすると足に問題があるのか? そんな時、自分の足に合わせたインソールを手軽に作れる場所があると聞いて、行ってみることに。
〈カスタムバランス〉は、足型測定サービスで足を分析して作るオーダーメイドのインソール。スタッフの指示に従い、専用の機器の上で立ったり歩いたりして足の形や状態を分析。
結果、両足とも扁平足、しかも歩く際に踵が内側に倒れ込んでしまう「回内足」と判明。
足のバランスが悪いと疲れやすくなるだけでなく、全身の筋肉にも負担がかかるのだそう。長年の肩こりや腰痛の原因も、足にあった!?……。動揺している間にインソールを足に合わせて成形し、分析から約10分で完成。これが歩行をサポートし、扁平足や回内足の改善が期待されるという。
翌日から使ってみたところ、たくさん歩いた後でも確実に前より疲れにくくて感激! 足元の大切さをあらためて実感した体験でした。
〈カスタムバランス〉
フィンランド発のカスタムメイドインソール。『ヴィクトリア』はじめ、全国のスポーツ用品店で取り扱い中。インソールは1足9,900円。足の分析からインソール完成まで合計10分、その場で持ち帰ることができる。足の分析だけ行うことも可能(無料)。
『クロワッサン』1110号より
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