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低カロリーで食物繊維が豊富なきのこ、体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

野菜ごとの栄養素の特徴や効率のいい食べ方を知り、よりよい野菜生活で若さと健康を保ちましょう。

野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理

【低カロリー】で【食物繊維】豊富。【がん抑制効果】も。

【栄養豊富な旬の時期】秋~冬
本来秋が旬のものが多い。春が旬のものも。工場で菌床栽培するものは一年中手に入る。

【体に効く選び方】乾燥していないもの
きのこによって選び方は異なるが、しいたけならふっくらとして肉厚なもの。しめじやまいたけ、えのきだけ、マッシュルームなどはピンと勢いがあるものを。

【体に効く食べ方】栄養素の流失を防ぐ
加熱調理が基本。煮汁に溶け出した栄養素まで全部摂れる調理法がいい。焼いたり炒めたりするのもおすすめ。しいたけなどビタミンDの多いものは日に当てると栄養素が増える。

【栄養を守る保存方法】かさを上にするのが基本
傷みやすいので早く食べたい。保存するときはパックのままかさを上にするのが基本。しめじやえのきだけは小房に分けて冷凍しても。

左上から時計回りに ぶなしめじ、マッシュルーム 、しいたけ、エリンギ、えのきだけ、まいたけ
左上から時計回りに ぶなしめじ、マッシュルーム 、しいたけ、エリンギ、えのきだけ、まいたけ

【重さの目安 1パック100gのものが多い】

[注目成分]
エルゴステロール
β-グルカン
カリウム

[エネルギー]
しいたけ 20kcal/100g
えのきだけ 22kcal/100g
ぶなしめじ 17kcal/100g
エリンギ 19kcal/100g
なめこ 15kcal/100g

[食物繊維]
しいたけ 4.9g/100g
えのきだけ 3.9g/100g
ぶなしめじ 3.0g/100g
エリンギ 3.4g/100g
なめこ 3.4g/100g

きのこによって異なる特効成分やビタミン!

きのこは種類によって有効な成分が違います。共通する点は、食物繊維を多く含み、低カロリーであること。またうま味の源であるグアニル酸を多く含むことです。光を浴びるとビタミンDに変わるエルゴステロールを含むものも多く、カルシウムと一緒に摂ると骨を丈夫にします。

身近なしいたけには、コレステロールを減らすエリタデニンが豊富で、抗がん作用が認められているβ-グルカンの一種であるレンチナンもたっぷりです。ぶなしめじは食物繊維、β-グルカン、カリウムなどが豊富で、一年中手軽な価格で手に入るのもうれしいところ。

まいたけはβ-グルカンの中でも特に効果が高い成分が多く、代謝や免疫力アップに役立ちます。なめこ独特のヌルヌル成分は水溶性食物繊維で腸内環境の改善や血糖値の上昇を抑える効果があります。

マッシュルーム以外は生では食べられず、水に溶けやすい成分が多いので、煮る場合、汁まで余さず食べることがポイント。

種類によって成分は多様。組み合わせるとさらに◎。

きのこにはさまざまな種類があり、成分や効果にも違いがあります。β-グルカンの免疫力アップや食物繊維の整腸効果などは共通ですが、さらに、ビタミンDが多いもの、ビタミン B2が多いものなど、身近なきのこをミックス使いすると相乗効果が得られます。

温やっこのきのこあんかけ

低カロリーで食物繊維が豊富なきのこ、体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

【材料(2人分)】
木綿豆腐 …… 1丁(300g)
しめじ …… 1パック(100g)
えのき …… 1/4パック
しいたけ …… 3枚
だし …… 1カップ
A  みりん …… 大さじ1
  塩 …… 小さじ1/3
  醤油 …… 小さじ2
片栗粉 …… 小さじ2

【作り方】
1.
しめじは小房に分け、しいたけは薄切り、えのきは長さを3等分に切る。
2.鍋にだしを煮立ててきのこを煮て、Aを加えて味をととのえ、片栗粉を倍量の水で溶いて加え、とろみをつけてきのこあんを作る。
3.豆腐は耐熱容器に入れて6等分くらいに切り、塩少々(分量外)を振ってふんわりラップをかけ、電子レンジで3分ほど加熱する。水気をきって器に盛り、2のきのこあんをかける。

エリンギのバター焼き

低カロリーで食物繊維が豊富なきのこ、体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

\淡泊なエリンギを乳脂肪でフォロー!/

【材料(2人分)】
エリンギ …… 大2本(240g)
バター …… 小さじ2
胡椒 …… 少々
醤油 …… 小さじ1と1/2

【作り方】
1.
エリンギは軸は輪切りにし、かさの部分は縦薄切りにする。
2.フライパンを熱してバターを溶かし、エリンギを並べて両面を焼く。胡椒を振り、醤油を回し入れてからめる。

  • 名取貴光

    名取貴光 さん

    食品成分研究者 医科学博士

    山梨学院大学健康栄養学部教授、副学部長。山梨大学大学院医学工学総合教育部人間環境医工学専攻博士課程修了後、名古屋大学大学院医学系研究科研究員を経て現職。専門は食品科学、神経科学。日本農芸化学会、日本生化学会などに所属し、生体や食品を構成している成分が体の中でどのような働きをしているか、脳神経系統を中心に研究を続けている。

  • 岩﨑啓子

    岩﨑啓子 さん

    管理栄養士 料理家

    聖徳栄養短期大学を卒業後、同大学研究室助手、料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て、料理研究家として独立。書籍や雑誌、メニュー開発などで活躍。栄養バランスを考えた、やさしく飽きのこない味で、簡単に作れる毎日の家庭料理を多数提案している。数十冊の料理書をはじめ、ダイエットや食事療法の頼れる著書も多数。

    ※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。

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