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骨粗しょう症に効く栄養素が豊富! 小松菜の体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

野菜ごとの栄養素の特徴や効率のいい食べ方を知り、よりよい野菜生活で若さと健康を保ちましょう。
  • 野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理

【骨粗しょう症】に効く【カルシウム】と【ビタミンK】が豊富。

【栄養豊富な旬の時期】12〜3月
冬の露地ものが一番おいしく、寒い時期の栄養補給に最適。霜に当たると甘味が増す。

【体に効く選び方】株の部分がしっかり
葉の緑が濃くて厚みがあり、葉先がピンとしているものがいい。大きいしっかりした株で、根元に、はりとみずみずしさがあるものがおすすめ。

【体に効く食べ方】下ゆでは不要!
アクが少ないので下ゆでは必要ない。おひたしならさっとくぐらせる程度に。炒めたり煮たりするなら生を直接調理。生食もでき、スムージーなどにもおすすめ。

【栄養を守る保存方法】乾燥を防いで野菜室へ
湿らせた新聞紙やキッチンペーパーに包み、野菜室で立てて保存するのが一番。ざく切りにして冷凍してもOK。

【重さの目安 1株50~80g】

[注目成分]
β-カロテン
ビタミンC
ビタミンB群
ビタミンE
カルシウム
鉄、リン

[エネルギー]
14kcal/100g

[食物繊維]
1.9g/100g

(Topics 1)食べる前に 根元を水につけて水上げするといい

食べる前に、根を少し残して切り直し、茎をしばらく冷水につけておくと水が上がり、葉がよりみずみずしく元気になる。こうすることで、根元の汚れも落ちるので一石二鳥。栄養素の流出を防ぐためには5分以内を目安にして。

(Topics 2)じゃこや桜えびなど カルシウム豊富な食材を合わせても

野菜のカルシウムは吸収率が低めなので、じゃこや桜えびなど、動物性のカルシウムを組み合わせると、より骨を丈夫にする効果がアップする。クエン酸はカルシウムの吸収を助けるので、ポン酢や三杯酢、レモン汁であえるのもいい。

抗酸化効果に加え、骨粗しょう症予防成分も。

小松菜はβ-カロテンだけでなく、代謝を整えるビタミンB群、美肌効果の高いビタミンC、血流改善のビタミンEも豊富。さらに、カルシウム、鉄、リン、食物繊維など積極的に摂りたい栄養素がバランスよく含まれています。

特に骨を丈夫にするために欠かせないカルシウムの含有量は、ほうれん草の3倍以上とされています。アクが少ないので生で食べられ、下ゆでも必要がないため、栄養素がムダなく摂れます。

ビタミンDやビタミンKを一緒に摂ると骨の健康にさらに有効。しいたけや納豆を献立に加えるといいですね。骨にはたんぱく質も欠かせないので、肉や魚、大豆食品も一緒に摂りましょう。

β-カロテンは油と一緒に摂るといいので、定番の青菜炒めはおすすめです。ビタミン類は水や熱で失われやすいので、炒め物などはしゃっきりとした歯ざわりを残して調理するのが健康的。生でサラダにしたり、スムージーとして利用するのも人気です。

アクが少ないから、加熱は一瞬がルール。

小松菜はアクが少ないのが特徴で、油で吸収がよくなる栄養素が多いため、青菜炒めにするのが最もおすすめ。豚肉や魚介類を組み合わせ、たんぱく質やビタミンをプラスすると最強。にんにくも栄養&味わいをプラスします。しゃきしゃきを楽しむ味噌汁もお試しを。

小松菜とベーコンの酢炒め

【材料(2人分)】
小松菜 …… 200g
ベーコン …… 2枚
オリーブ油 …… 小さじ2
A  酢 …… 大さじ1
  醤油 …… 小さじ1
  塩 …… 小さじ1/5
  胡椒 …… 少々 

【作り方】
1.
小松菜は3~4cm長さに切り、葉と茎に分けておく。ベーコンは2cm幅くらいに切る。
2.フライパンにオリーブ油を熱してベーコンをカリカリに炒め、小松菜の茎、Aを入れてさっと炒め、火を止めて葉を加え、さっと混ぜる。

即席味噌汁

\ツナ缶と味噌汁にし、EPA、DHAも!/

【材料(2人分)】
小松菜 …… 100g
ツナ缶 …… 小1缶
味噌 …… 大さじ1弱
熱湯 …… 1と1/2カップ

【作り方】
1.
小松菜は、葉は2cm幅くらい、茎は5mmくらいに刻む。
2.ツナ缶は缶汁をきる。椀に味噌を半量ずつ入れ、ツナと小松菜も半量ずつ入れて熱湯を注ぎ、手早く混ぜる。

名取貴光

名取貴光 さん

食品成分研究者 医科学博士

山梨学院大学健康栄養学部教授、副学部長。山梨大学大学院医学工学総合教育部人間環境医工学専攻博士課程修了後、名古屋大学大学院医学系研究科研究員を経て現職。専門は食品科学、神経科学。日本農芸化学会、日本生化学会などに所属し、生体や食品を構成している成分が体の中でどのような働きをしているか、脳神経系統を中心に研究を続けている。

岩﨑啓子

岩﨑啓子 さん

管理栄養士 料理家

聖徳栄養短期大学を卒業後、同大学研究室助手、料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て、料理研究家として独立。書籍や雑誌、メニュー開発などで活躍。栄養バランスを考えた、やさしく飽きのこない味で、簡単に作れる毎日の家庭料理を多数提案している。数十冊の料理書をはじめ、ダイエットや食事療法の頼れる著書も多数。

※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。

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