免疫力アップの赤い色素リコピンで健康を守るトマト。体に効かせる食べ方とは?
野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理
(実を食べる)トマト [ ナス科 ナス属 ]
【リコピン】の 【抗酸化効果】で 【老化】を防ぎ、【がん】予防に。
【栄養豊富な旬の時期】6〜9月
露地栽培のものは夏が旬。ハウス栽培のものが一年中出回る。
【体に効く選び方】はりがあって重いもの
おしり(へたと反対側)に放射状の線が入っているものがいい。健康効果を考えると、赤いものほどリコピンが豊富で、ミニトマトは優等生。
【体に効く食べ方】皮も種も全部食べる
熱に強いリコピンやβ-カロテンは油と一緒に摂るといい。種の周りのゼリー状の部分にはうま味成分のグルタミン酸がたっぷりなので、種ごと食べると効果的。
【栄養を守る保存方法】ポリ袋に入れて冷蔵室へ
野菜保存袋に入れて冷蔵室へ。加熱調理用に冷凍保存もできる。
【重さの目安 1個約200g】
[注目成分]
リコピン
ビタミンC
β-カロテン
カリウム
ルチン
[エネルギー]
19kcal/100g(トマト)
29kcal/100g(ミニトマト)
[食物繊維]
1.0g/100g(トマト)
1.4g/100g(ミニトマト)
(Topics 1)ピンク系、赤系、 ミニトマト…… トマトの種類は多い
以前は中玉が主流で、果肉の色が薄いピンク系が多かったが、最近は赤系トマトが多く出回っている。ミニトマト、ミディトマト、普通サイズと大きさも幅広く、ミニトマトには黄色や緑のものも。栄養素は濃い赤色のものに多い。
(Topics 2)トマト缶は旬の栄養がギュッと!
トマト缶は加熱に向くトマトを水煮にしたもの。煮込みやソースに使われることが多いけれど、そのままでも食べられる。旬の完熟トマトが原料なので、β-カロテンもリコピンもたっぷりで、生のトマトが季節はずれになったらぜひ活用したい食材。
免疫力アップの赤い色素リコピンで健康を守る。
最も効果が注目されているのは果肉の鮮やかな赤い色素リコピンで、活性酸素による細胞のダメージを減らすので、血管や脳をはじめ、全身の組織を守り、病気を防ぎ、老化を抑える働きをします。
リコピンは脂溶性で熱にも強い成分なので加熱してもOK。熱を加えると果肉の細胞が壊れるので、吸収率は一層上がり、同じく豊富なβ-カロテンは油と一緒に摂ると効果的です。
生で食べるのが一般的ですが、飽きずに食べるためにも、油で焼いたり、炒めたり、ときには煮込んで食べるなど変化をつけるのがいい方法です。
リコピンだけでいえば、赤い色が濃いものほど多く含まれ、ミニトマトは普通のトマトより断然多いとされています。
また、真っ赤に熟したトマトをすぐに加工しているトマト缶やトマトケチャップ、トマトソースなども優秀な加工品なので、旬以外の季節にはうまく活用するといいでしょう。
ミニトマトにはリコピンがより多く含まれています。
リコピンもβ-カロテンもトマトよりミニトマトのほうが多い。種の周囲のゼリー状の部分に豊富に含まれる栄養素も、まるごと食べられるのも魅力。加熱調理すると甘味やうま味が増します。さらに、油を使って調理することで栄養素の吸収が助けられます。
ミニトマトのバジル焼き
【材料(2人分)】
ミニトマト …… 大8個(200g)
バジル(フレッシュ) …… 4枚
にんにくの薄切り …… 2枚
A オリーブ油 …… 小さじ2
塩、胡椒 …… 各少々
ドライパン粉 …… 小さじ2
【作り方】
1.トマトは半分に切る。
2.バジル、にんにくはみじん切りにし、Aと混ぜる
3.オーブントースターの天板にアルミホイルを敷き、切り口を上にしてトマトを並べ、2を散らしてパン粉を振り、オーブントースターで10分ほど焼く。
ミニトマトのナムル風
\リコピン+にんにく、ごま油で吸収率も◎。/
【材料(2人分)】
ミニトマト …… 8個(140g)
長ねぎ …… 2cm
にんにく …… 薄切り1枚
赤唐辛子 …… 1/2本
A ごま油 …… 小さじ1
醤油 …… 小さじ1/2
砂糖 …… 1つまみ
【作り方】
1.ミニトマトは横半分に切り、ねぎとにんにくはみじん切りにする。唐辛子は輪切りにする。
2.ボウルにAとねぎ、にんにく、唐辛子を入れ、ミニトマトを加えてよくあえる。
『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。