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硫化アリルで疲労解消&スタミナアップ! にんにくの体に効かせる食べ方と選び方。

野菜ごとの栄養素の特徴や効率のいい食べ方を知り、よりよい野菜生活で若さと健康を保ちましょう。食品成分研究者で医科学博士の名取貴光さん、管理栄養士の岩崎啓子さんに教わります。
  • 野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理

(茎を食べる)にんにく[ ユリ科 ネギ属 ]

【疲労解消】、【粘膜】を守る、【硫化アリル】がダントツ!

【栄養豊富な旬の時期】6〜7月
国産の旬は初夏から夏。保存性が高いので一年中市販されているが、輸入物も多い。

【体に効く選び方】大きくて締まったもの
大粒で重みがあり、皮がしっかり乾燥していて硬くて締まっているものが良質。国産では青森産が有名。軽いものは乾燥のし過ぎなのでNG。芽の出ていないことも確認を。

【体に効く食べ方】すりおろしが最強
健康効果のある硫化アリルは熱に弱いので生が効果的。細胞を壊して刺激成分を効率よく摂るには、すりおろしが一番。みじん切りもいい。刺激が強いので軽く加熱してもいい。

【栄養を守る保存方法】風通しのいいところへ
湿気に弱いので、ネットなどに入れて通気のいい場所に吊るして保存するのが一番いい。日に当たると成長して、芽が出てしまう。

【重さの目安 1個約60g】

[注目成分]
硫化アリル
ビタミンB1
ビタミンB2
カリウム

[エネルギー]
136kcal/100g

[食物繊維]
6.2g/100g

(Topics 1)にんにくの芽、花にんにくも効果は抜群

にんにくというと鱗茎を思い描くが、茎にんにく、花にんにくなど、茎や花を食べる野菜も出回っている。鱗茎同様に硫化アリルやビタミンB群を含み、β-カロテンも摂れるので健康効果も高い。油でさっと炒めるのが効果的な食べ方。

(Topics 2)油漬け、酢漬け、醤油漬けなどで保存しても

調味料に漬け込む保存漬けもおすすめ。にんにくが日持ちし、香りや成分が溶け出した調味料もおいしく活用できるので人気。酢漬けにすると、まれに酢が青く変色することがあるが、芽の成分と反応したためで、害はなく、効果も変わらない。

スタミナアップに役立つ硫化アリルを有効に摂る。

昔からスタミナ野菜として知られるにんにくはねぎの仲間で、刺激成分にエネルギー代謝を整える働きがあるため、疲労回復や免疫力アップに役立ちます。それは、辛味成分の硫化アリルがビタミン B1と出合うと、アリチアミンという糖をエネルギーに変える助けをする成分に変わるから。

硫化アリルはにんにくの辛味やにおいの成分で、揮発性で熱にも弱いため、生で食べるのが効果的。細胞が壊れるとたくさん得られるので、おろしたり刻んだりするのが効率的ですが、刺激が強いので胃の弱い人には注意が必要です。

加熱すると刺激成分が分解されて食べやすくなります。熱を加えてもすべての効果がなくなるわけではないので、加熱調理もいいでしょう。炒め物やスープにすると香りが食欲を誘います。

醤油や酢に漬けて調味料として活用したり、味噌漬けにしても食べやすいものです。油に溶ける成分なので、オイル漬けにしておくと少しずつ利用できます。

硫化アリルをガツンと摂り、疲れや感染と戦うレシピに。

硫化アリルは生食が有効ですが、刺激が強いため少量しか食べられないので加熱するのもいい方法。卵やトマトなどの滋養効果の高い素材とスープにすると、疲労回復、スタミナ向上に役立ちます。こんがり焼いてオリーブ油に漬けておけば、疲れたときの一粒に。

にんにくとトマトのかきたまスープ

【材料(2人分)】
にんにく …… 2片
トマト …… 小1個(140g)
オリーブ油 …… 小さじ1
コンソメスープの素 …… 1/2個
塩 …… 小さじ1/6
胡椒 …… 少々
卵 …… 1個

【作り方】
1.
にんにくは薄切り、トマトは大きめの乱切りにする。
2.鍋にオイルを熱してにんにくを炒め、水2カップ、スープの素を加えて煮立てる。トマトを入れ、塩、胡椒で味をととのえて、割りほぐした卵を回し入れる。

焼きにんにくのオイル漬け

日持ち 冷蔵室で2週間ぐらい

\にんにくは甘く美味。香りオイルも便利。/

【材料(作りやすい量)】
にんにく …… 1玉
オリーブ油 …… 1/2カップ

【作り方】
にんにくは1粒ずつに分け、薄皮をむいてアルミホイルに包み、魚焼きグリルで15分ほど焼く。瓶にオリーブ油を入れ、熱々のにんにくを漬ける。
※にんにくも、香りの移ったオイルも活用できる。

名取貴光

名取貴光 さん

食品成分研究者 医科学博士

山梨学院大学健康栄養学部教授、副学部長。山梨大学大学院医学工学総合教育部人間環境医工学専攻博士課程修了後、名古屋大学大学院医学系研究科研究員を経て現職。専門は食品科学、神経科学。日本農芸化学会、日本生化学会などに所属し、生体や食品を構成している成分が体の中でどのような働きをしているか、脳神経系統を中心に研究を続けている。

岩﨑啓子

岩﨑啓子 さん

管理栄養士 料理家

聖徳栄養短期大学を卒業後、同大学研究室助手、料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て、料理研究家として独立。書籍や雑誌、メニュー開発などで活躍。栄養バランスを考えた、やさしく飽きのこない味で、簡単に作れる毎日の家庭料理を多数提案している。数十冊の料理書をはじめ、ダイエットや食事療法の頼れる著書も多数。

※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。

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