魚を熟成させて旨味を引き出すのは寿司店や割烹料理店などのプロの仕事。その一方で日常的に食べる魚は、やはり少しでも鮮度のいいものを選びたい。初心者でも今日からできる“目利き”を「東京築地目利き協会」の代表理事、佐藤篤子さんに聞いた。
「イワシやアジなど鮮度が命の青魚を見極めるポイントは目です。それと“体高”といって人間でいえば肩がお相撲さんのように盛り上がって、顔が小さく見える魚は脂が乗っている証拠です。サクで売っているものは、白身なら血合いが鮮やかな赤のものを。血合いが黒いものは酸化が進んでいます。それから魚が敷いてあるシートにドリップが出ていないもの、小魚なら内臓が肛門からはみ出ていないものを選びましょう」
以上が基本知識。ただ、本当の意味での鮮度のよしあしは、比較対象がなければ分からない。一度、市場でとびきり新鮮な魚を見ておくのも勉強のうち。
ちなみに、鮮度とはまた別の話だが、マグロのサクに関しては形で美味しさを判断するというのもプロの技。
「マグロの仲卸さんによれば、四角いものより三角のものがおすすめです。この部分は“別れ身”といって脂が全体にムラなく乗っていてスジもなく、美味しいといわれているんです」