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免疫力を上げる大人のための、バランスのいい食事とは?

この野菜で免疫力アップ!と書かれた、雑誌やネット記事、サプリの説明書。
その結びには「バランスのいい食事を心がけましょう」といった文言がたいてい添えられています。
単品で食べても免疫力は簡単に上がらず「バランスのいい食事」が基本になると伝えたいようですが、
そもそも「バランスのいい食事」とはどのようなものなのでしょうか。管理栄養士で料理研究家の牧野直子さんに教わりました。
  • 撮影・青木和義、小林キユウ、岩本慶三、黒川ひろみ 文・葛山あかね

ご飯の量が多く思えますが、これでバランスがいいのですか?

「50歳を過ぎた大人世代のための、バランスのいい食事を作ってください」──。そうお願いしたところ紹介してくれたのはこちらのワンプレート。
糖質制限、肉食主義、徹底したカロリーオフなど健康的な食べ方についての情報があふれる昨今、食事の内容に疑問もちらほら。牧野さん、教えてください!

Q.そもそもバランスのいい食事って?

「主食、主菜、副菜が揃っていること。多種多様な食べ方が提唱されていますが、私としてはやはりこれが基本だと思います。

男性でも女性でも、どの年代でも、これだけは同じ。ただ、バランスは変わります。たとえば成長期の子どもであれば主食:主菜:副菜=3:2:1ですが、50代以降なら3:1:2。主菜より副菜を多めにします。

また摂取量も年代によって変える必要がありますが、これが意外とわかりにくい。カロリーと言われてもピンとこないし、分量を量れといわれても難しいでしょう。

なので、お皿の大きさで考えてみてください。小学生低学年なら直径20cm、20代は26cm、そして50歳過ぎの大人なら、直径24cmの皿にきれいに盛り付けられる分量が、基本的には一食の適量といえます」

Q.ご飯が皿の半分! 糖質の摂りすぎでは?

「昨今の糖質制限ブームによってご飯などの炭水化物は敬遠されがちですが、そもそも糖質は大事なエネルギー源です。

病気でもなんでもない人が糖質制限をしたら完全にエネルギー不足になりますし、体内に糖質が足りなければ今度はたんぱく質を燃やすことになり、筋肉量も落ちてしまう。

40歳を過ぎると加齢とともに免疫力は下がりますから、糖質をきちんと摂らないとエネルギーが足りず、結局、免疫力が落ちやすくなるんです。

もちろん50代以降は生活習慣病や肥満に気をつけなければなりません。
とくに問題の新型ウイルスは高血圧や糖尿病になっている方のほうが罹(かか)りやすいとされていますから、たとえば白米に食物繊維豊富なもち麦を混ぜたり、麺料理であれば野菜でカサ増しをするなど、主食の食べ方にひと工夫することも視野に入れたいですね」

Q.健康長寿の人は肉好きが多いけれどこれ、少なくない? 

「肉はいくら食べてもいいという風潮がありますが、それは誤解。

あくまでも血糖値を下げることを目的にしたことで、脂質を含む肉を食べすぎれば当然ながらLDL(悪玉)コレステロール値は上がりやすくなります。動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞を招いてしまうケースもあるんです。

長寿の人がお肉をたくさん食べているのは、そもそも肉を食べられるだけの基礎力があるからです。とくに大事なのは歯。

肉を噛むだけの丈夫な歯があることは免疫力のためにも重要で、咀嚼(そしゃく)回数が多いほど唾液が出てウイルスなどを撃退するための殺菌効果が得られますし、食べられる食材の種類も増えるからより多くの栄養を補えて免疫力も上がりやすくなるんです」

【直径24cmの皿に盛り付けて覚える、〈主食3:主菜1:副菜2〉のバランス】

【1】[主菜]鶏むね肉と玉ねぎ、パプリカのカレー炒め

●たんぱく質源は多様に取り入れるのが健康維持のコツです

肉や魚にはたんぱく質源としてだけでなく、さまざまな健康効果があるので多種類を取り入れて。また卵や大豆製品なども賢く活用を。

【材料】2人分
鶏むね肉(皮なし)…160g
小麦粉 …… 少々
玉ねぎ …… 1/2個
パプリカ(赤)…… 1/2個
A 醤油 …… 大さじ1
  酒 …… 小さじ2
  カレー粉 …… 小さじ1/2
植物油 …… 小さじ2

【作り方】
1.鶏むね肉はそぎ切りにして小麦粉を薄くまぶす。玉ねぎは縦8等分のくし形切りに、パプリカは斜め細切りにする。
2.フライパンに油を熱し、鶏肉を加えて中火で両面を焼く。
3.玉ねぎとパプリカを加えてしんなりしたら、Aを回し入れて炒め合わせる。

【2】[副菜]ブロッコリーと豆のサラダ

●副菜は2品用意しても主菜と掛け合わせても。バリエーション豊かに

取り入れたいのは野菜、きのこ類、海藻類。この3つが揃えばビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素をおおよそまかなえます。

【材料】2人分
ブロッコリー …… 100g
ミックスビーンズ …… 50g
粒マスタード …… 小さじ2

【作り方】
1.ブロッコリーは小房に分け、塩少々(分量外。ゆで湯の1%が目安。湯1Lなら小さじ2)を加えた湯でさっとゆで、ざるに上げる。
2.すべての材料を混ぜ合わせる。

【3】[主食]もち麦ご飯

●大事なエネルギー源。1食分のご飯の目安は100〜150g

主食にあたるのはご飯やパン、麺類などの炭水化物源。写真は130g。茶碗一杯分。もち麦や胚芽米などを上手に使うのも手。

【材料】2人分
もち麦ご飯 …… 260g

牧野直子

牧野直子 さん (まきの・なおこ)

料理研究家、管理栄養士

栄養素や成分を熟知しつつ、身近な食材を使って誰でも真似できる料理を提案。生活習慣病の予防・改善から、肥満に悩む子どものためのダイエット指導まで行うスペシャリスト。

『Dr.クロワッサン 最新版 免疫力が上がる食べ方』(2020年5月28日発行)より。

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