コロナ時代の疲れの要因の一つ、「自律神経の乱れ」の整え方。
イラストレーション・植松しんこ 文・板倉みきこ
不安やイライラが招く【自律神経の乱れ】
イライラや不安からくるストレスは体をこわばらせ、過緊張状態を招く。交感神経が常に優位な状態が続くので、自律神経のバランスは乱れてしまう。その結果、体調不良が起こり疲労が蓄積していく。
顎や頭の筋肉を緩めると、イライラや不安感が減少。
頭の筋肉の凝りやむくみに着目してきた山本さんが、コロナ時代の疲労が溜まっていると指摘するのが側頭筋。
「ストレスを我慢しやすい人ほど硬くなる部分。精神的なストレスは増えていますし、マスクをつけることの物理的な緊張も合わさって、側頭筋が凝っている人は増えているはずです」
頭の筋肉が凝れば血流は滞って脳は疲れ、自律神経の機能にも影響を及ぼす。さらに、顎周りの筋肉にも注目。
「緊張するとキュッと噛み締めてしまうのは自然の反応です。でも、顎を通る神経は副交感神経に関係があるので、顎周りの筋肉が硬直すると、自律神経のバランスにも影響を及ぼします。顎と側頭筋の凝りをほぐして、自律神経の乱れを整えていきましょう」
【心の状態が影響しやすい顎と頭の筋肉。】
右・顎を支えるオトガイ筋は、緊張すると硬くなりがち。胃腸へと繋がる迷走神経(副交感神経)も通っている。左・こめかみ付近にある側頭筋は、咀嚼する時に使う咬筋(こうきん)とも関連する。
意外と凝っている顎の筋肉をじっくりほぐす。
自分の頭の重さを使ってコリをほぐした後は、舌を丸めてストレッチ。この2段階の刺激で顎を緩めていく。
顎周りの筋肉のコリが解消されると、フェイスラインのたるみ予防にもなり、美容効果が期待できる。
顎の先端の骨の内側と、そこから指1本分ずつずらしてエラの下まで。
1.机の上に両ひじをつき、両手の親指を重ね、指の腹で顎の先端の骨の内側を押す。頭の重さをグーッと親指にのせるイメージで5秒。そこから指を1本ずつ外側にずらしてエラまで両サイド3カ所をそれぞれ5秒押す。気になるところは少し長めに。
2.口を閉じたままRの発音をするように舌を軽く丸め、首をゆっくり後ろに倒す。倒した状態で5秒キープ。舌の緊張がほぐれていく。
イライラしてきたら即実行、即解消。
ストレスを我慢していると硬くなってくる側頭筋をこまめにほぐせば、頭がスッキリして心にも好影響が。
側頭筋を押し上げるようにマッサージすると、ほうれい線予防やフェイスラインの歪みの改善にもつながる。
両耳の後ろ側の耳下、耳横、耳上、こめかみの4カ所。後ろ回転に刺激。
親指のつけ根のふくらんだ部分を中心に、手首の上あたりの骨を使う。
右ひじを机につき、頭の重さをかけ、右手のひらで右側頭部をマッサージ。側頭筋を押し上げるイメージで。4カ所行ったら反対側も。
『クロワッサン』1042号より
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