ホルモンと時計遺伝子の力で血管を増やし、血流も改善!
でも、生活習慣、運動、睡眠、食事などで再生させることもできるので、あきらめないで。
決め手はホルモンと時計遺伝子です。
文:韮澤恵理 撮影: 鈴木江実子 イラストレーション/秋葉あきこ(構造図)、ヤマグチ・カヨ
[ 毛細血管はいくつになっても増える ]
毛細血管がゴースト化(参考記事)するのも増えるのも自律神経しだいといえる。
まず自律神経を整え、ホルモン分泌をよくすることが血管を増やすポイント!
毛細血管の新生
1.健康な毛細血管。血管壁も正常で血流が確保されている。
2.内皮細胞が傷つくと周皮細胞と離れて隙間があいてしまう。
3.隙間が広がると血液が漏れ、そこより先の血流が途絶える。
4.アクセサリー細胞が傷口に集まり、内皮細胞と協力して血管新生。
5.新しい血管はさらに枝分かれし、正常な毛細血管の質と量を確保。
毛細血管は自律神経がコントロール
●交感神経優位
【毛細血管新生】
毛細血管の傷がふさがり、右図のように、アクセサリー細胞と周皮細胞の力で、新しい元気な毛細血管を作る。
●副交感神経優位
【ゴースト化】
毛細血管がダメージを受け、血液が漏れ出てその先の血流がなくなったり、血管自体が消えてしまう状態。
毛細血管は傷ついてもケアすれば新しく作られる
毛細血管は不規則な生活やストレスで自律神経のバランスがくずれると、血管が枝分かれする根元の部分が圧迫され、細くなって血流が悪くなり、機能が低下していきます。最悪の場合ゴースト化して、血管自体が消滅し、数が少なくなってしまうこともあります。
でも、毛細血管は一度ダメージを受けても、生理活性物質などの働きで再生することができます。
具体的には血管内皮細胞が傷つくと、細胞分裂を活発にして傷を治そうとする血管内皮成長因子が分泌されるのですが、同時に血管の幹細胞の一種であるアクセサリー細胞も修復を助けます。
小さな傷は、ふさいで修復しますが、大きな傷の場合、新しい血管を作って別ルートで血流を確保するというメカニズムがあり、これを血管新生といいます。新しくできた血管が健康に伸びて枝分かれすれば、しっかりと血液を届けられるように成長していきます。
再び毛細血管に負担をかけないためには、生活サイクルを守るのは、時計遺伝子。自律神経のバランスや生活の改善を心がけましょう。
『Dr.クロワッサン 毛細血管を増やして、血流力をつける!」(2018年11月15