からだ

こんな症状が出たら要注意、いつの間にか骨折。

知らずに進む背骨の圧迫骨折。
腰や背中が痛い、背中が丸くなってきた、身長が低くなってきたら要注意。
  • 文・吉田真帆 イラストレーション・松元まり子

【年齢に伴う骨密度と骨変化】40代から始まる骨老化。骨折の連鎖に気をつけて。

骨力の低下は年齢とともに進みます。女性ホルモンの分泌量が多い20代をピークに少しずつ低下し、閉経前後に極端に下がることがわかっています。できれば40代から骨粗しょう症にも注意するのが理想。早期なら食事や運動で改善することができます。

骨粗しょう症は自覚がないため、50代では転んで骨折して気づく人が多く、その後は姿勢の悪さや身長が低くなるのが、発見のきっかけの大多数。

60代になると背骨の圧迫骨折が急増します。少しずつ進行するために気づかないことが多く、「いつの間にか骨折」として警鐘が鳴らされています。

背中が丸くなり、身長が低くなる以外に、腰や背中が痛むことも少なくありません。もしやと思ったら、一度医療機関を受診してみましょう。

背骨の圧迫骨折は1つ折れる(つぶれる)と2つ目の骨折が起きる可能性が倍増します。これを「骨折の連鎖」「ドミノ骨折」と呼びます。背骨以外でも骨折の連鎖には注意が必要です。

<年齢による骨と姿勢と骨トラブル>

【介護が必要になるきっかけは骨折・転倒・関節疾患で約3割。】

厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査の概況」より

■ 要支援者
1位 関節疾患 17.2%
2位 高齢による衰弱 16.2%
3位 骨折・転倒 15.2%

■ 要介護者
1位 認知症 24.8%
2位 脳卒中 18.4%
3位 高齢による衰弱 12.1%

■ うち要介護5
1位 脳卒中 30.8%
2位 認知症 20.4%
3位 骨折・転倒 10.2%

背中の丸まりがわかる壁・後頭部テスト

壁にかかとと腰をつけてまっすぐに立ち、後頭部も壁につけることができる。

壁にかかとと腰、背中をつけて立つと、後頭部を壁につけることができない。この場合、胸椎の骨折の疑いも。

太田博明

お話を伺ったのは

太田博明 さん (おおた・ひろあき)

婦人科医

山王メディカルセンター 女性医療センター医師。日本抗加齢学会監事、日本骨粗鬆症学会元理事長、日本女性医学学会元理事・監事。専門は女性医療、骨粗鬆症、アンチエイジング医学。近著に『筋肉は若返る! ―尿もれ・骨折・フレイルは防げる! 治せる!』(さくら舎)。

『Dr.クロワッサン 何歳からでも骨は強くなる』(2020年3月28日発行)より。※プロフィールは掲載時点の情報です。

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