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賢い患者になるための患者力をアップする医療マメ知識。

  • 取材 文・馬場さおり イラストレーション・楠伸生

「何科を受診するべきか」問題を解決する「総合診療」。

病院にかかろうとして、「どこの科を受診すればいいのだろう」と、迷った経験はありませんか。

内科に行くべきか、それとも他の専門的な科に行くべきか。そして後者の場合、どの専門科に行くべきなのか。腹痛や動悸(どうき)、背部痛など、不調から受診する科を自分で判断することは難しいもの。そんな患者の悩みを解決してくれるのが、今、医療界の中で注目されている「総合診療」です。

総合診療とは、あらゆる疾患を幅広く、多角的に診ることができる診療科のことであり、そこに従事する総合診療医は、診療科全般にわたる診察能力を有しているスペシャリストです。患者の病態によって専門的な治療を要する場合には、的確な診療科へと送り出すこともできるため、さまざまな不調の入り口となる診療科でもあります。

患者が抱える「何科を受診するべきか」問題の解決策になる総合診療ですが、地域によっては通える範囲にまだ設置されていないこともあり、そういった地域の患者にとってはかかりつけ医の存在が大切になってきます。だからこそ、まずは、いざというときに頼れる医師探しから始めましょう。

どこの科を受診すればいいか迷う患者にとって、総合診療科の存在は解決策になります。

自己治癒力を高める栄養療法で、目指す根本治療。

わたしたちが受けられる医療には、「対症療法」と「根本療法」という考え方があります。対症療法は今起きている症状を抑えることが目的であり、風邪をひいたときに熱を下げる解熱剤や、咳(せき)や鼻水の症状を緩和する処方薬は対症療法の治療です。

一方、根本療法は病気の原因を探し出し、病気そのものや、その原因を治す治療のサポートを行います。中でも、栄養療法はあらゆる治療の基礎であり、免疫力などの自己治癒力を高め、病気の根本治療を目指すうえで欠かせません。患者の栄養状態は、対症療法にせよ根本療法にせよ、治療効果に大きな影響を与えます。

例えば、治療中にストレスを感じると、ストレスに対抗するホルモンを分泌する副腎の機能が低下し、抑うつ症状が出ることがあります。対症療法では抗うつ薬を服用しますが、根本的な治療は副腎が疲労する原因を除去し、副腎を回復させる栄養素を摂取することです。

原因を放置したままでは別の症状が出てきてしまい、治療と発病のいたちごっこになりかねませんが、原因の除去や栄養素の補給を行うことで、今ある病気の治療効果を高めるだけでなく、新たな病気の予防も行うことができます。対症療法と根本療法を融合することは、病気になりにくい身体作りにもつながるのです。

目的に応じた「自由診療」で、広がる治療の選択肢。

病気の根本治療に予防もとなると、限界がある一般保険診療。そこで選択肢の一つになるのが自由診療です。一般保険診療は病名がついて初めて薬などの治療が受けられますが、自由診療では未病の時期から不調を改善してベストな状態を目指す治療が行われるため、「病院に行っても病気ではないと言われた」「原因がわからなかった」などの悩みの解消にも役立てることができます。

また栄養療法の面でも、腸内環境やホルモンバランス、免疫力などの観点から患者の体質を分析し、最適な栄養を補給することから、より効果を実感しやすいのが特徴です。

一般保険診療では満足できず、限界を感じている方にとって、治療の選択肢を広げてくれる自由診療ですが、全額自己負担のため、どの程度の治療を望むのか、目的や経済状況に応じて検討することが必要です。

目的に応じて選びたい自由診療は予防医療を扱うクリニックなどで受けることができます。
山口育子

取材協力

山口育子 さん

「賢い患者になりましょう」を合言葉に“協働”する医療の実現を目指す認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)の理事長。著書『賢い患者』(岩波新書)。

Dr.クロワッサン「逆引き病気事典」(2019年10月10日発行)より

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