残念ながらワーキングメモリは加齢に伴って衰えていく。
「18〜25歳がピークで、その後は低下していきます。ワーキングメモリの機能を測るテストを行うと、40代以降の人の成績は、20代の人と比べるとかなり低いのです」
ワーキングメモリが主に関わっている前頭前野は、年齢とともに萎縮するなど、衰えやすい部分でもある。また、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβも、前頭葉や海馬に蓄積されやすい。これがワーキングメモリの衰えの原因とされている。
「脳の機能をなるべく維持するために、WHO(世界保健機関)が推奨しているのが運動、禁煙、バランスの良い食事など。実はこれらは生活習慣病予防のための対策と同じ。これに認知的なトレーニング、つまり脳トレなどを行うことでワーキングメモリの低下を防ぐことが期待できます」
脳を若く保つうえで一番大事なのは、〝健康的な生活〟なのだ。