ストレスで肌が荒れることも、精神的に安定していると肌の調子がいいことも、私たちは体感している。まさに“皮脳同根”。美しさを叶えるには、穏やかでハッピーな気分が不可欠なのだ。そんな感情のコントロールに役立つのが、香りを楽しめるコスメ。香りが心や体、肌へ与える影響を、アロマセラピストの濱美奈子さんが解説する。
「私たちが香りを嗅ぐと、香りに含まれる芳香分子が嗅神経を通じて大脳の奥にある大脳辺縁系を刺激します。この部分は、人間の感情や本能的な欲求と深く結びついているため、快・不快や喜怒哀楽、記憶の甦りなどに影響」
もちろん香りの種類によって、体や脳に表れる反応は異なる。
「たとえばラベンダーは、香りの好みに関係なく、血中のセロトニン濃度を上げ、鎮静作用を促すことで睡眠の質を高める効果が期待できます。他の香りにも、脳の記憶力の向上、やる気がアップ、幸福感や性的な欲求の高まりなど、その働きは多種多様です」
ただし、香りの感じ方には個人差が。
「女性の場合は、月経の前後やホルモンバランスの変化でも感覚が違うもの。また、香りは記憶と結びつきやすく、ある特定の香りが脳に記憶化された時の状況や感情的な記憶によって、その後の感じ方にも変化が起こります」