特に意識が高まったのが、アルベール・エルバス時代の〈ランバン〉でワンピースを買ったエピソードを読んだとき。40代半ばになり、体のラインを拾わない服を選びがちになっていた石田さんは、二の腕や膝下が露わになるタイトなワンピースを前に不思議な高揚感を覚え、自分には今、この服が必要だと購入を決めます。
「緊張感がゼロの格好をしていると体はどこまでも甘えて、びっくりするぐらいあっと言うまにラインが崩れ、緩んでいく。その緩んだ体に喝を入れたい。そして、女性であることを楽しみたい。」(『LILY’S CLOSET』、97ページ)
まさに緊張感ゼロで、緩みきっていた体をソファに横たえて本を読んでいた私は思わず飛び上がったのでした。もう明日にでも服を買いにいこう!(のぐぽん)