「体を求めて街をさまよう切断された手と、ひとりの青年の心に芽生えた淡い恋心。パリを舞台に、恋愛と謎が交錯する不思議な冒険を描いた、繊細なアニメ作品。」という、Netflix公式サイトに記載された『失くした体』の作品概要だけ読むと、冒頭の「切断された手」をさらりと流せば、よくあるラブストーリーと勘違いしてしまうかもしれません。
しかし、冒頭の「切断された手」こそが実はこの作品の主人公。恋愛は、この複雑すぎる作品のパーツの一部でしかありません。よりによって「手」が主人公なんて! なんという不思議設定でしょうか。
それもそのはず、この作品の原作は、2000年代初めの女子たちを熱狂させた、あの不思議ちゃんが主人公の映画『アメリ』の脚本家ギョーム・ローランが書いた小説なのです。