からだ

40歳を過ぎたら症状がなくても眼科で検査を。

長く生きれば目もくたびれてくるけれど、私たちの人生はまだまだ続く。この先も愉快に元気に暮らすには、思っている以上に全身の健康状態を左右する、目のケアは重要なのです。
正しい知識をもとに、今よりもっと大事にしましょう。
  • 撮影・中島慶子 文・一澤ひらり、板倉みきこ 撮影協力・メゾン・デ・ペルル

人生100年時代、生活の質に目の健康は重要な役割を果たす。

「視覚は老後の生活に重要です」と、東京女子医科大学教授の飯田知弘さん。

「日本人の平均寿命は延びていますが、健康寿命との差が大きい。その差を縮めるには視機能が関わってきます。よく見えることでQOLも上がるし、実は認知症にも関係してきます」

研究では、白内障の手術をすると認知機能が上がり、またよく見えることによって認知機能が改善されることがわかっているそう。だからこそ、視機能の大切さをみんなにわかってもらいたい、と飯田さん。

「目の不快感が出てくる年齢は40~50歳。親世代の認知症が気になる年齢でもある。2つの面で関係してきます」

低下してしまった視力も、脳のトレーニングで取り戻せる?

眼科医の平松類さんによると、一度下がってしまった視力でも、回復させることはできるという。

「ものを見るときは、目でとらえて脳で情報を処理しています。なので、脳の処理能力を上げることで、視力を向上させることができるのです」

脳の働きを活性化して、眼球の機能に依存しない見方ができるようになるため、小さな子どもから老眼になっている高齢者まで効果がある。ガボール・パッチという図柄以外には、特別な道具や場所も不要。さっそく今日からでも始めてみよう。

加齢に伴い増加する目の病気は早期発見、早期治療が必須。

緑内障や白内障、加齢黄斑変性といった、加齢性の眼疾患が気になり始めている読者も多いはず。
「どの病気も自覚症状が出た時点でかなり進行しています。健康診断や人間ドックでも眼底検査は行わない場合があり、見落とすことも」(飯田さん)

飯田さんが提案するのは、不調や自覚症状がなくても眼科に行くこと。

「40歳になった記念に緑内障検査、50歳になった記念に加齢黄斑変性検査、といった具合に気軽に訪れるといいでしょう。“年齢的に気になるので診てもらえますか”でもいいですね」

加齢性眼疾患は予防が難しいだけに、自分の目への気配りが鍵に。

オートクチュール刺繡の技法を使って作られたビーズのアクセサリー。目ブローチ1万8000円、ウィンク・チラ見ブローチ 参考商品(以上モーココバヤシ/メゾン・デ・ペルル TEL.03-6416-8644 https://maisondesperles.com)

『クロワッサン』1016号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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