読者の皆さまはもしかして、『クロワッサン』の編集者はみんな美容通だと思っておられませんか? それはノン・ノン。自慢ではないが私(アラフィフ・兼業主婦)は、まったく美容のことがわかりません。これまで担当してきたページは主に料理とか掃除とか書評とか。
もちろん毎日、何かしらを塗って会社には行きます。でも、本当に「何かしら(=サムシング)」であって、乾かないように&日焼けしないように……くらい。お化粧は、まああるものを適当に……だってもう20年くらい、デートとか合コンとかないですし。息子のお弁当作りとかゴミ出しをしたあとの出勤で忙しいし。ちょっと頑張るタイミングといえば、同窓会の前にマツエクを盛るくらい。
でも。それじゃいけなかったです。ということを今回、「若見えメイク術」のページを作り始めた時に思いました。集まった「私は見た! イタイ若見えメイク」のアンケートに愕然。「チークの位置が20年前で止まっている」「口紅の色が20年前のまま」「まつ毛は盛ればいいってものじゃないのに」。ええーー。マズいじゃーん私。
そして編集部の大ボスと小ボスに言いました。こんな私がメイク特集を作るのは無理なのでは? そうしたら大ボスが言いました。「ですから、そういうレベルの女性が今風の大人メイクを習得できる、わかりやすいページを作ってください」。
そこで本誌でお馴染み、メイクアップアーティストのレイナさんと打ち合わせをしました。打ち合わせなんてレベルではありません。ほぼ、ゼロからの個人レッスン。
「下地って塗る意味あるんですか? ファンデで隠れちゃうと思ってました」「リップティント? 初めて聞きました。流行っているの?」「ファンデって顔全体に塗ったらいけないの? シミが隠れなくない?」。聞きながらも自分の質問のレベルの低さがわかります。もう、ネットによくある「偏差値38からの大学受験」みたいなやつ。でも流石にレイナさんは優しかった。ニッコリ笑って、「いやあ、これはお教えしがいがありまね!」。
それで、そんな私目線でできたのが、当該ページです。もうサブタイトルに<ゼロから教わる>とか<偏差値38からの>とかつけたかった。