「ダイエットと月経サイクルにはとても密接な関係があります。女性ホルモンが心や身体に非常に大きな影響を与えているからです」
と言うのは、産婦人科医の千代倉由子さん。
女性ホルモンの周期は二層性。月経から排卵まで女性ホルモンのひとつ、エストロゲンが卵巣から分泌されるのが卵胞期、排卵から次の月経まで女性ホルモンのプロゲステロンが盛んに分泌されるのが黄体期だ。
「卵胞期は女性的な心理行動や美意識が強くなり、ものごとにポジティブになります。身体的にも脂質代謝が亢進するのでダイエットに適しています。黄体期は意欲が低下し、ネガティブな心理状態に陥りやすく、脂肪の分解能力も低いのでダイエットを開始するには不向きです」
卵胞期が攻めの時期だとしたら、黄体期は守りの時期。こうした女性ホルモンの周期を理解しながらダイエットを行うことは、とても大切。卵胞期に減量に励み、黄体期はキープするつもりで取り組もう。
【月経後〜排卵】
エストロゲンの働きが活発な排卵前までは、ものごとに対して積極的になり身体的にもアクティブな状態。脂質や糖質の代謝が増して脂肪がつきにくい身体になる。悪玉(LDL)コレステロールが減って善玉(HDL)コレステロールが増えることも知られている。
【排卵〜月経前】
排卵以降の黄体期は、プロゲステロンによる作用が中心に。精神的には抑うつ状態になり、意欲の低下やネガティブな気持ちに陥りやすい。脂質や糖質の代謝も低下し、むくみなどで体重の増加が見られることも。月経前症候群(PMS)が起こるのもこの時期。
【月経中】
生理痛やむくみなどが見られ、積極的に身体を動かすことには向かない時期。黄体期に上昇していた基礎体温が下がり、冷えなどの症状が出ることも。月経開始直後はだるさや集中力の低下などPMSの症状が続くこともあるのでリラクゼーションが必要。